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真の勇気をもつ

 仕事を正しく進めていくためには勇気が必要です。

 普段、私たちは、周囲の人から嫌われまいとしていうべきことをはっきり言わなかったり、正しいことを正しく貫けなかったりします。

 仕事を誤りなく進めていくためには、要所要所で正しい決断をしなければなりませんが、その決断の場面では勇気が必要です。しかし、そこでの勇気とは、蛮勇つまり粗野で豪傑といわれる人の持っている勇気とは違います。

 真の勇気とは、自らの信念を貫きながらも節度があり、怖さを持った人、つまりビビりを持った人が場数を踏むことによって身につけたものでなければなりません。


楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
 
 新しいことを成し遂げるには、まずこうありたいという夢と希望を持って超楽観的に目標を設定することが何よりも大切です。

 天は私たちに無限の可能性を与えているということを信じ、必ずできると自らに言い聞かせ、自らを奮い立たせるのです。

 しかし、計画の段階では、何としてもやり遂げなければならないという強い意志を持って悲観的に構想を見つめ直し、起こりうるすべての問題を想定して対応策を慎重に考えねばなりません。

 そして、実行段階においては、必ずできるという自信を持って、楽観的に明るく堂々と実行していくのです。


信念を貫く

 仕事をしていく過程には、様々な障害がありますが、これをどう乗り越えていくかによって結果は大きく違ってきます。

 何か新しいことをしようとすると、反対意見やいろいろな障害がでてくるものです。そのようなことがあるとすぐにあきらめてしまう人がいますが、素晴らしい仕事をした人は、すべてこれらの壁を高い思想に裏打ちされた信念で突き崩していった人たちです。

 そうした人たちは、これらの障害を試練として真正面から受け止め、自らの信念を高く掲げて進んでいったのです。

 信念を貫くには大変な勇気が必要ですが、これがなければ革新的な、創造的な仕事はできません。


もうダメだというときが仕事のはじまり
 
 ものごとを成し遂げていく元は、才能や能力というより、その人の持っている熱意や情熱、更には執念です。

 スッポンのように食らいついたら離れないというものでなければなりません。もうダメだというときが本当の仕事の始まりなのです。

 強い熱意や情熱があれば、寝ても覚めても四六時中そのことを考え続けることができます。それによって、願望は潜在意識へ浸透していき自分でも気がつかないうちに、その願望を実現する方向へと体が動いていって成功へお導かれるのです。

 素晴らしい仕事を成し遂げるには、燃えるような熱意、情熱をもって最後まであきらめずに粘り抜くことが必要です。


開拓者であれ

 京セラの歴史は人のやらないこと、人の通らない道を自ら切りひらいてきた歴史です。誰も手掛けたことのない新しい分野を開拓していくのは容易ではなく、海図や羅針盤もない状況で大海原を航海するようなものです。

 頼りになるのは自分たちだけです。開拓するということは、大変な苦労が伴いますが、反面これをやり遂げた時の喜びは何物にも代えがたいものがあります。

 このような未踏の分野の開拓によって素晴らしい事業展開ができるのです。どんなに会社が大きくなっても私達は未来に夢を描き、強力な夢を描く開拓者としての生き方をとり続けなければなりません。


人間の無限の可能性を追求する

 仕事において新しいことを成し遂げられる人は、自分の可能性を信じることができる人です。

 現在の能力をもってできるできないを判断してしまっては、新しいことや困難なことはできるはずがありません。

 人間の能力は努力し続けることによって無限に広がるのです。何かをしようとするとき、まず人間の能力は無限であることを信じ、何としても成し遂げたいという強い願望で努力を続けることです。

 ゼロからスタートした京セラが世界のトップメーカーになったのはまさにそのことの証明です。常に自分自身の持つ無限の可能性を信じ勇気を持って挑戦するという姿勢が大切です。