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▼量が過ぎれば袋破れる

“古川水絶えず”というが、このように変化の激しい時代では、このことばは通用しなくなってきた。創業何十年の老舗、名門の上場企業でも黒い噂が出て、同業者の傘下にくだるだけではなく、各業界で合併・吸収・倒産がぞくぞくと起こっている。“量過ぐれば袋破れる”というように、会社の中身と経営の実態が違ってくるとアウトになる。経営は、ひと・もの・かねのバランスだというが、肉体的条件のみ大人であっても、ものの考え方や、することが子供並では、今の時代に生き残ることはできない。
 量と袋の関係について考えてみよう。まず業種である。石炭など、時代に合わぬものを袋に入れていれば中味から腐っていく。また、取り組んでいる業種によって適正規模がある。市場の大きさ、企業活動の範囲を考えて、中味の配分と袋の大きさを考えねばならない。
 第二には、経営者の経営能力である。社長だけでなく、その後継者はどうかによって、袋の大きさを決めるだけでなく、中身の量によっては、袋を小口にして分けたほうがよい。
 第三には、人材という入れ物である。企業は人なりというように、発展成長をつづける会社であっても、それをやりとげる人たち、つまり仕事に適した人が、どの部門にも必要なだけいなければパンクする。
 第四に、コストから袋の大きさを考えねばならない。生産・販売・管理の単位から考えて、どのような袋の大きさが一番原価が安くつくかを考える。
 第五には、資金面からの制約である。個人資本のみにての成長には限界がある。資本調達力によって事業規模はどうだろうかを決める。
 第六は、政府の方針からいってどうかである。中小企業は大きく変わらねばならない段階にきている。合併するか、吸収されるか、系列下にはいるか、自己の力で成長するか、膨張策にブレーキをかけ分散するか。量を減らすか、増やすか。袋の大きさをどのように変えていくか。中味と入れ物とがバランスするようにしていかねば、袋は破れてしまうことは避けられないであろう。

2007.01.25:反田快舟

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