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▼はじめに実態ありき

 商売というものは難しいもの。頭だけで覚えて、それで経営を論じてはダメである。従来の経済理論で考えていると、実態はなかなかそのとおりいかない。世の中の、変化のスピードが違うからである。事業があって、それをうまく遂行するために、経営活動や、いろいろな管理が行われる。経営者とか、管理技法というものが先にあって、それから事業活動があるのではない。成功した事実を体系づけ、理論づけしたものが学問である。つまり、それだけ時代に遅れているといえよう。だから本の読みすぎや、頭から、こうでなければならない、というやり方でやると失敗する。経営者や管理者が、いまの経営学とか管理技術の教えのとおりにやろうとすると、それは2〜3年も前のことをやっていることになるのだから、時代にとり残される。人に学ぼうとしているからそれだけのズレができる。われわれコンサルタントの立場でいえば、経営を指導する頭脳的蓄積は、町医者的な個人プレーで、旧態依然たることをやっていれば2〜3年でゼロになるということだ。環境が複雑多岐に変化しているのであるから、そこをうまくもっていくための緊急対策姿勢は、いまの仕事をやっていくために、つねに、どのようにするのが一番よいかと、考えて、考えて、考え抜き、障害となる問題点をつぶしていくようにすることである。
 それから、一番新しく時代にあったやり方が生まれてくる。“はじめにことばあり”とはバイブルの創世紀にでてくる有名な文章である。ことば以前に行動と現実があることを忘れてはならない。行動なり事象を表現するために、ことばが生まれてきたのである。だから、学者が経営をすると、ほとんどがうまくいかないことがこれを証明している。無学の人であっても、その事業に精魂を打ち込み、全身全霊をもって商売を考えているところは立派な業績をあげている。経営とはつねに流動しているものであり、とりまく条件、問題がそれぞれ違うからである。自社にあったやり方をしていかねばならない。それがためには、つねに、なぜこのようなやり方をするのか、目的は何かを考え、ピントのあったやり方に軌道修正をしていくことである。狙いどおりにいかないなら、どこに問題があるか、そしてそれを解決する一番よいやり方はなにか、というように発想し、行動していくことだ。

2007.01.22:反田快舟

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