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▼完全主義に徹せよ

乱気流の中で、安全航行する飛行機に必要な条件は三つある。
一つは、全天候で飛行できる機体であり
二つは、信頼度の高い質の良い燃料であり
三つめは、優秀なパイロットである。
常に磯体の点検、整備を十二分にし、余裕をもった燃料を積み込み、素質の良い乗員に、あらゆる状況を想定した訓練を行い、健康状況を最良のコンディションにして乗務させる。
企業でいうと、組織を常に経済情勢に合わせた状態にし、信頼度の高い、質の良い社員を十分に用意するとともに、人間としての充足感をもたらすよう心がけ、経営者自らもまた心身ともに健康で、正確な判断力と強固な意志力を持っていなければならない。
さて、運航に際してどのメーターを軸とするかが問題である。一方的な利益追求の姿勢か、あるいは商人としての本質に立つのか。見るべきメーターが間違っていると事故につながる。
金融危機、燃料、食料高騰、消費者マインドの冷え込みの中にあって、経営者は、企業をめぐるこの変化に即応した舵取りをしていかねばならない。ハンドルさばきも慎重かつ微妙に変えていく必要がある。
経営というのは、どのように損失を少なくするか、という発想で、ものごとを考えねばならない。今、安いから値上がりが見込める式で買っていては儲からぬものである。必要なものを必要なときに買う態勢にもっていく。
投機的な利益をねらうよりは、毎日、毎月、わずかでも儲かるようにもっていくことだ。高く売るより、早く売るほうが結局は儲けの率がよいのである。
商売とは、物と金との交換であり、また、それらの流れをつかさどるのであるから、取引を通して相互に有利になるようにするというのが原則であり、正義なのである。一円不足しても手形は落ちないし、また電車にも乗れない。こんなに努力しているのにという言い訳は通用しない。また、昔はこうだったは逃げ口上ということになる。
経営者は経営者らしく、その本質に徹した完全主義者でなければならない。

2008.11.01:反田快舟

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