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▼経営に若さを

 この世に呱々の声をあげたときは一心不乱に努力するが、ある程度安定操業ができるようになると、とかく易きに流れがちになる。全力投球する厳しさは少なくなり、惰性による経営に陥りやすい。そこには新しい体制に挑む力も気迫もなく、進歩もない。

 “若さ”とは、未来に対する謙虚な姿勢である。希望にあふれ、自己満足せず、目標を貫徹せんと努力し、成長をつづけることである。それがためにも、創業当時にかえって考えてみる。全力投球した後の悔いのないあの頑張り。無理をきかして伸び切った振幅の広さにあらためてわが力を感じ、それを契機に能力がグンと向上していったあの思い出。

 ファイトに満ちあふれ、決められた枠に拘束されず、融通のある考え方をもち、現実を素直に直視し、力を自ら養い、失敗に卑下せず、未来におびえず、現実を一歩一歩改善していく努力をもちつづけ、押し進める態度……。そこには若さがある。

 中小企業は、もてる能力の二倍ないし三倍の荷をのせて、なおかつ安全運転できなければならない。定量に腹八分の運営をする大企業とはちがう。どうしても若さが必要なのだ。

 企業は永遠に生きつづけねばならない。若さを誇る経営とは、未来にわたって、継続して標準以上の利益をあげ、ライバルに負けることのない手を打ち、労使の結束を固め、つねに明日への準備ができていなければならない。貧欲に成長をつづけるためには、表面的な数値だけでなく、販売力・技術力・商品力・人材力すべてにおいて量より質で考えていかねばならない。どのようなことが起こってもビクともせぬ青年の力をもたねばならない。
 
 人は自分の能力がおよばぬようになると、とかく評論に走りやすい。逃げる。いいわけをする。他人に責任をふりむける。行動力もなければ対策もない。
このような状態を老化という。

 若さとは疲れを知らずに前進する力である。若さのある企業とは、成長する人が多い企業である。集中力があり精力的・行動的で・耐久性・弾力性に富み柔軟性がある。そして積極的・攻撃的でかつ適応力・回復力がある。どのような事態になってもヘコたれず挑戦する力をもち、つねに前向きで前進し、希望と抱負をもち続ける企業といえよう。

 つねに清冽な水が流れ、打てば直ちに響く会社。たえまなく成長への歩みをつづけるために努力しているかどうか、その度合いで企業の若さが判定されるのだ。

2008.08.31:反田快舟

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