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▼中小企業こそ、データベースを持とう 第5回 

芥I-SO(ハイソ)                          代表取締役 小野寿光

中小企業がデータベースを自由自在に扱えるようになれば、確かに効率は良い。関係会社との情報共有や社内コミュニケーションもうまくいき、確固たる営業基盤を作るであろうことは、改めて言われるまでもなくご存知のとおりです。
ところが、一般にデータベースを構築するのにはサーバコンピュータを配備し、社内LAN等の通信環境を整え、外部からの侵入防止策や社内コンピュータ操作者のログイン資格、電子メールやホームページの制限など、情報通信環境の整備が前提となります。大企業のような訳にはいかないのは当然で、いきおい、データベース導入は無理、ファイル管理は紙ベースのままか、パソコン操作に明るい社員まかせと言うことになっているのが現状でしょう。
これこそが私たちが開発コンセプトにした原点、中小企業こそデータベースを持ち、少ない社員で高効率の業務管理をしようではないかと言う、まさにIT時代ならではの業務改善の一歩なのであります。
前回まで、「エコノミー・メールイン」という新しい形のデータベースの特長を生かしてどのような事ができるか紹介してきました。今回からは、実際の使い方を中心に、業務別の提案をしてまいります。まず、さまざまな業務に共通して管理できる「業務日誌」を「メールイン管理」するとどうなるかと言う例から。

基本的にワードやエクセルで作った業務日誌をメール添付で報告すると言うIT先進型企業と、まだ紙の報告書を綴っているというアナログ型企業とに分けて、「メールイン管理」をします。「IT先進型はわかるけど、アナログ型では難しい」ですって?・・・とりあえず、一人はパソコン操作ができる人を雇ってください。全員にパソコンを持たせなくとも管理者や社長さんが毎日の報告をきちんと受け、関連業務との関係がすっきりと見えてくるようになれば、「メールイン管理」の評価ができるはずです。まず踏み出すこと、その上で、自社にあった管理方法を必ず見つけるよう持続させること、常に「これでいいのか」と思い続け、方法の改善を定期的に行うこと。これらができれば、アナログだった会社も必ずデジタル管理のよい部分を自社のものにできるはずです。

さて、まず簡単なのはすでにパソコンで作った業務日誌などを活用している会社です。特に、業務日誌を記入する際パソコンで書き込んでいるような会社は、下記画面のようにメールを多用して「報告・連絡・相談」を行うなど、共通の予定表を活用して効率的管理に進んでいる場合がほとんどでしょう。
この場合、「報告・連絡・相談」の指定用紙に、関連するファイルをホッチキスで留め、一連の流れとともにバインダー等につづりこむと言うのが、これまでの業務の流れだったかと思います。そこで、これまで使っているワードやエクセルの文書を生かした「メールイン管理」の方法を紹介します。
以降、有効なファイル管理を促進する目的で「エコノミー・メールイン」の他に「Adobeアクロバット」をご用意ください。いわゆるPDFファイルソフトで、無料でダウンロードできるアクロバットリーダーで見るファイルを自前で作るソフトです。これにより、「エコノミー・メールイン」のファイル管理は飛躍的に拡張することを請け負いますので、この際1社に1本はそろえておきましょう。

下の写真はデジタル化した業務日報の一例です。一枚の日報で工務課、営業部など、社内一元化で使える。
エクセルで作った表に書き込み、アクロバットでPDFにしたところ。筆者は持っていないが、「いきなりPDF」(ソースネクスト)などは安価のPDF作成ソフトだそうです。こうしたソフトを使って、ワードやエクセルで作った文書を、編集ができないPDFに変換することで、「エコノミー・メールイン」でリンクを張るなどン関連付けをしながらデータベース機能を使えるファイリングができます。
[画像]@指定のファイル(ワードやエクセル)に業務報告を書き込みます。AAdobe社アクロバットを使って書き上げたファイルをPDFファイルに変換します。Bアクロバットの「スナップショット」ボタンで、ファイルを画像として保存。C「エコノミー・メールイン」ツールバーから「編集」→「貼り付け」、後日の検索を想定し、社内の誰でもがわかる用語をいくつでも登録しておきます。D「エコノミー・メールイン」の、開いている日付に「画像化した業務日誌」が登録されます。Eビューワ上に見える業務日誌の好きな場所に、すでに登録されている関連ファイルをリンク保存します。[画像]この作業と同じことを紙ベースで行おうとすれば、関連ファイルをコピーして手元に置く用意が必要で、さらに業務日誌の必要箇所に関連ファイルを添付している旨をメモし、ホッチキス等で綴じ、しかるべくバインダーにつづりこむと言う作業になります。紙資源を使い、バインダーの保管場所を占有し、後日目的ファイルにたどり着くのに膨大な時間を費やすことは目に見えています。業務途中で撮影した写真、たとえば工事関係者であれば、工事が発生する予定はないのだが、いつか改善提案をしようと思いたくなるような箇所を顧客の建物内に見つけたとします。大きなお世話かもしれませんが、こうした情報は必ず生きてくるものです。ところが、業務報告にはこうした将来の提案に対して取り扱うスペースがなく、もちろん紙ベースでこの写真を保存しておいても、いつか忘れ去られてしまうのが落ちです。こうした場合、「メールイン管理」には、後日の検索で引っかかるようなコメントをつけておくと言う方法や、分類の中に「仕事のタネ」といった社内で通用する符丁で商売のネタを仕込んでおくということもできるはずです。思いついたが吉日で、ひらめいたことを保存するのはなかなか大変ですが、皆さんメモに残したりいろいろと努力していると思います。ところが、紙ベースの保存は結局わからなくなってしまい、手帳へのちょっとしたメモのほうが後々役に立ちます。それにしても、同じ手帳を使っていると言う条件付ですが。その点、デジタルで残すやり方は、検索が楽だからこそ有効なのです。何かの拍子に思い出して探すとき、「メールイン管理」の中にコメントとして残しておく、あるいは分類保存しておくなど、多種多様の使い方ができるのがデータベースの良さであります。中小企業の最大の利点は「小回り」が利くことだと思っています。ちょっとした思い付きや気付いた点を提案に結びつけ、営業する。そのツールとして、「エコノミー・メールイン」をお役立ていただきたいと思います。                                  (第5回おわり)

●2006.09.30
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