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▼中小企業こそ、データベースを持とう 第4回

                             芥I-SO(ハイソ)
                           代表取締役 小野寿光
日常の情報交換、いわゆる「報告・連絡・相談」の記録をきっちりと残すことこそが、企業の大小を問わず近年求められている説明責任(アカウンタビリティ)を果たすことにつながると言うのは誰しもが判っているはずです。前回、日常業務の中で必要なファイルを「エコノミー・メールイン」で受信することにより、リスク管理や品質管理に役立てることができると紹介しました。特に、日常が繁多で、一人何役もこなさなければならない中小企業においては、とりわけ「記録」の持つ意味と、「記録」を自在に引き出して活用することの重要性は十分ご理解いただけるものと思います。
画像で残すリアリティは「百聞は一見にしかず」の格言どおり、どんなに分厚い報告書よりもはっきりと伝達し、「報告・連絡・相談」を受けた人にリアルな対応を求めます。「エコノミー・メールイン」が基本コンセプトとしている画像マルチリンク機能のスタンダード化がもたらす中小企業の業務改善サポートは、実はここに原点があります。
現場主義と呼ばれる現実直視の先に対策を立てる方法論は、昨日今日始まったものではなく、現場の最前線にこそ問題と解決のヒントがあるという先人の教えであります。しかし、実態としてはすべてのセクションに携わる組織人や、企業間取引の責任者すべてが現場に出入りしたのでは迷惑だと言うのが本音でしょう。そこで、ヴァーチャルで現場を体験して問題点を洗い出したり、解決の糸口を見出そうと言うのが今日的な方法論であると言えます。
本来現場を知っている人でしたら、なおさら現状の現場状況を遠隔画像でもよいから確認したいと思うのは当然です。「見て」確認することで判断するのとそうではない場合とでは、俄然対策のリアリティが違います。しかも、最新の状況が常に確認できればなおさらです。

遠隔監視の日常化があらゆるシーンで進められ、新聞・テレビを通してその効果のほどが誇張されて伝わっているのは、読者の皆さんもご承知のとおりです。あるいは、カメラ付の携帯電話の普及により、通信に画像情報が添付され、レジャー用途はもちろん、小さな業務用途、記録に使われています。おそらく皆さんの会社でも、現場報告の写真代わりに携帯の小さな画面でいろいろと説明を受けた経験がおありになると思います。
ことほど左様に、画像は身近なものになり、プリントしておく要否の検討があまりなされないまま、携帯電話が持つ記録保持能力(メモリ容量)に保存を任せているのが現状と言えます。いえ、携帯電話に記録できる残し方ならまだましです。こうした報告事項の中には、携帯メールの受信記録がメディア(携帯電話会社)のサーバーに一時的に保存されているものに接続して見せている状態、すなわち、Web上の限りある保存期間の画像を「記録」と誤解して保存されているつもりになっている場合が往々にしてあります。
Webで見えている画像は「保存」されているのではなく、一時「閲覧」できるようになっているだけ・・・としっかり意識してカメラ付携帯での画像を「報告・連絡・相談」に使っている人はどれだけいるでしょうか。一時的な「報告・連絡・相談」の場合、とりあえず報告する内容として携帯から画像を見せ、「保存」には注意を払っていないのがほとんどではないでしょうか。
つまり「保存」されない「報告・連絡・相談」となっていることに他ならず、いささか説明責任を欠いているということになります。せっかくカメラ付携帯で報告のための画像を用意しても、「保存」し、次の段階になったときにその画像を活用すると言う発展性がなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。

この普及してきたカメラ付携帯の撮影画像を取り扱うことに関しても、モノをいうのが「エコノミー・メールイン」です。筆者の知人に一日に携帯画像60〜80通を送信している建築関係の会社があります。20人〜30人の関係者がそれぞれの担当者に向けてカメラ付携帯で撮影した画像をメールに添付して送る。「エコノミー・メールイン」でその画像の記録をしっかりと残しておく。しかも、建築工事ごとに分類され、担当者単位で関連図面にリンクを張るなどの関連性を保持しながら。
この会社では、そもそもカメラ付携帯で「報告・連絡・相談」をしていました。しかし、時にその画像は「こんな状態だった」ことを示しておしまいにしていたのです。そこで社長いわく「HI-SOさんのソフトを貯金箱にしよう!データをいつでも見ることができ、出し入れできる貯金箱に」と言うことでスタートしたのが下の画面です。

「エコノミー・メールイン」で受信中の現場状況
[画像] 携帯電話に当たり前のようについているカメラ機能も、最近では十分実用に耐える画質と大きさを保っています。したがって、はっきりと記録され、作業愛用も判る写真が送信されます。このパソコンが面にある9月8日だけでも、「エコノミー・メールイン」での受信数は72枚という知人の建築会社は、ここに例示するように毎日現場から画像による「報告・連絡・相談」を行い、「貯金箱」である「エコノミー・メールイン」への自動データベース化を行っています。「報告・連絡・相談」の次にデータベース化を促進することで、顧客サービスやメンテナンスにつなげようということです。施工の記録をきっちり持つことは、とりもなおさず顧客サービスにつながりますし、10年保証が当たり前になっている建築物にとって大変大事な取り組みであると言えます。 カメラ付携帯の有効活用に「エコノミー・メールイン」への記録保存をお勧めします。データベースとして使い始めるには、まず有効な記録がたくさん保存されなければなりません。たくさんの記録を保存すると言っても、闇雲に写真撮影するわけにも行きませんから、担当者ごとや仕事の内容ごとに分類してルールを決めます。写真を撮影したら、メール本文に現場名・担当者名・作業名ぐらいは書き込みましょう。いちいち書き込む必要がないように、本文の「ひな型」として登録しておけば簡単に必要事項が打ち込めます。ここに、当日の作業で気付いたことや報告事項を書き足して、決められたアドレスに決められたタイトルで送信するだけです。こうしてルールを守ってカメラ付携帯を全員で使い、現場情報を集約するやり方は、有効なノウハウです。いずれこの会社は、顧客への情報管理と、施工記録のデータベース化で他社との差別化に成功することでしょう。中小企業が信頼を得る方法はいくつもあると思いますが、毎日の記録をしっかりと保存すると言う、簡単にできるところから着手するのは、IT化への抵抗も少なく、現場にいる方々にも負担が少ないよい形であることには間違いございません。    (第4回おわり) 

●2006.09.12
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