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▼中小企業こそ、データベースを持とう 第3回

                            芥I-SO(ハイソ)
                           代表取締役 小野寿光
 前回、「報告・連絡・相談」ツールとして使う「エコノミー・メールイン」の有効な施設管理の方法について書きました。ニュースバリューの何割かを占める話題のひとつに、暮らしの中の「安心・安全」を脅かす事象が極めて身近なところにあるということの取り上げ方があります。
PL法と言う、製造物責任を問う法律が浸透してきたことや、情報公開の動きなどから、一昔前なら私たち一般市民は知ることもできなかった「企業内で問題とされる事故報告」や「企業活動と因果関係のはっきりしない事件・事故」に関する情報が、現代ではあっという間に新聞テレビで取り上げられ、当事者となった企業にとっては大変なダメージを受けることに直結するような事例を沢山見聞きします。
大企業のようにリスク管理をきっちりと行っているようでも、実際に「管理」するのは人間でありますし、企業内の組織のあり方や、上層部の感覚如何によって批判のそしりを免れない企業のいかに多いかを私たちは目の当たりにしてきました。残念ながら、これまでの教訓が生かされず企業責任を問われる事件が多発していることは、読者の皆様も十分ご存知のとおりであります。
そこで、「エコノミー・メールイン」を使った品質にかかわる情報管理の事例をご紹介しましょう。特に、何か起こったらひとたまりもないのが中小企業でありますし、現場最先端の問題と直面しているのも、組み立て製品の個々の部材や性能試験などの責任を有しているのもまた中小企業です。自らの身を守るためにも、発注者やユーザーからの想定外の問題を持ち込まれたときにも、自社の製造記録やシミュレーション検証に役立つのが「エコノミー・メールイン」という、セミオーダーのデータベースです。どうか、「エコノミー・メールイン」の機能を十二分にお引き出しいただき、リスク管理や品質管理にお役立ていただきたいと思います。

「エコノミー・メールイン」を活用した「グループワーク」の情報共有
[画像]@ A社・B社共同でパーツの受注をし、品質管理やリスク管理面を「エコノミー・メールイン」に委ねている。A ファイル分類の方式を統一、社内分類がそのままデータベースになり本来業務が推進される。B 「エコノミー・メールイン」に集積された情報は、必要な担当者に転送配信される。C A社・B社ともに外務営業担当にも最新情報が配信されるため、製品クレームなどへ同時に対応できる。D 「エコノミー・メールイン」の情報共有により有効な管理体制が容易に作れ、相互の信頼関係が増す。@の共同受注により相互の情報共有は欠かせないものになっています。ここでは「エコノミー・メールイン」の関連ファイルをメール添付送信するだけでデータベース内に自動的に取込んでもらえますから、AB両社とも自社の情報を送信すると同時に他社情報についても同じカテゴリーでデータベース化され、お互いのやっている仕事がよくわかります。Aも同様のことを説明しています。「エコノミー・メールイン」を複数の違う法人で使う場合、共通のカテゴリーで分類する「キーワード」を自由に設定できる「エコノミー・メールイン」の機能が役立ちます。また、Bで「転送配信」されたファイルによって情報を共有し、いちいち問い合わせたり事務所に戻らなくとも画像での目視確認が可能です。Cの場合はさらに効率的です。組みあがった製品にクレームがついたとしましょう。A社・B社ともに関連ありそうなのですが、外務営業担当者が仕入れてきた情報を瞬時に共有し、両社ともに検証し始めることでスピーディな対応が可能となります。沢山のパーツに分類される組み立て製品は、それぞれに品質管理やリスク管理、工程と納期のバランスなど発注会社がボランチの役目を負って調整に当たるのが煩雑です。マイナーチェンジやクレーム対策など変更点が出てくればなおさら。こうした時に対応を誤ると、前述した企業の仲間入りをしてしまうわけです。そこで、企業間情報や製造工程、図面チェック、試作品検証など少量多品種であっても同じ工程をたどる運命にある製造現場での情報共有を、「エコノミー・メールイン」で簡単に構築することを学びましょう。「エコノミー・メールイン」の良さは、なんと言っても画像中心に「見て確認」できるところにあります。試作用のチェック項目すら手探りの状態といった場面でも、まず図面を「エコノミー・メールイン」に登録し、関連図面や写真・ファイル類を、その図面の関係する箇所に「リンクを張る」かたちで保存していきます。試行錯誤の過程を記録するだけでなく、データベース化することで後々の問題点検索作業などがはかどります。ただ記録を紙ベースでファイリングしている状態と、電子化・・・しかもデータベース化されている状態との比較を想像してみてください。同じ実験結果の記録を比較するのに、ペーパーを綴りこんでいる文書ファイルのページをめくりながらの比較とパソコン上で必要データファイルをデータベースから検索して表示させることの比較・・・、その効率の差は歴然といえるでしょう。こうした導入を進めれば、小さなグループウェアのように「エコノミー・メールイン」を使うことで中小企業がコストをかけずに情報共有するメリットが生かされ、大きな信頼につながります。専用のサーバをおき、イントラネットを構築して行う共有は、大企業中心にいまや常識化しておりますが、町工場的な中小の生産現場の情報が共有されるには、相当のインフラ整備が必要となります。「エコノミー・メールイン」は、そうした小さなネットワークを自由に組み合わせ、互いの共有すべき情報だけを電子メールに添付して行っているこれまでのようなファイル交換の記録をデータベース化して残せるところにメリットがあります。改めてファイルを集めてデータベースを作るのではなく、日常のファイルのやり取りから必要な記録を残していきリスク管理や品質管理に役立てていただける「画像マルチリンクデータベース」を、どうぞ業務改善にお使いいただければ幸いです。                                (第3回おわり)

●2006.08.29
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