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▼中小企業こそ、データベースを持とう 第1回

                                     株式会社HI=SO(ハイソ)   
                                     代表取締役 小野寿光
 中小企業こそ、データベースを持つべき。そう考え、仲間3人と「セミオーダー」のようなデータベースソフトを作りました。
 このように書きますと、至極簡単なソフトを、ごく短時間で作ったかのように思われるかもしれなませんが、実は今回の連載をきっかけに、本格的な販売活動に入るまでに、すでに3年の月日を費やしていると知ったら、皆さんはどのように思われるでしょう。
 よほど暇なお金持ちが道楽で作ったソフトか、それなりに本当にいいもので、じっと販売のチャンスを窺っていたのか・・・筆者からは少々口幅ったい感じがしないでもないのですが、噛めば噛むほどいろいろな味がする実に面白いソフトに仕上がっていったと言うのが、今回の連載依頼にもつながる本当のところなのだと思うのです。
 では、いったいどんなものなのか、何ができるのか、エータベースとは何なのか、などなど、皆さんが興味をお持ちいただけるような事例を挙げていきながら、中小企業のよいところをもっと伸ばすツールとして活用いただけるよう、じっくりとご紹介いたしましょう。
 管理人の反田先生とはほとんど打ち合わせもないままに連載のスタートを切りますが、おそらくデータベースをどう活用するかと言うところで相当のページ数を費やすはずですし、実際のソフトの画面を説明しながらの連載記事と言うことになるでしょうから、それなりに長い連載になるだろうということぐらいは覚悟していただかなければなりません。
 ただし、皆さんの興味を引くような仕掛けは随所に入れ込み、なるべくパソコンやIT、ソフトウェアと言ったものに詳しくない方でも、これならわが社でも使えそうだという感触を得ていただけますよう工夫して書いてまいりますので、どうかお付き合いいただきたくお願いします。前置きが長くなりましたが、データベースのマジック「画像マルチリンク」という私たちの新しい切り口のデータストックからご覧ください。

[画像] 赤い四角の「リンクポイント」に(小さくて見えにくいかもしれませんが)、エクセルファイルや写真など4個のファイルがリンクされています。リンクしてある場所に関連する情報が、一目瞭然です。  この画面が、私たちの作ったデータベースソフト「エコノミー・メールイン」の最大特徴のひとつであります「画像マルチリンク機能」です。画面中央が、この場合は図面ですが写真でも、スキャナで取込んだ何かの画像データでも、PDFファイルのような文書でも結構です。要するに「ビューワ」という機能に表示されるもの、「画像」としてみることができるファイルであれば何でもこの画面に表示されますので、そこにリンクポイントを作り、その場所に関連するファイルをリンクして置くという、誰が見ても内容がわかるように工夫したのがこの画面です。その画像の「何か情報を伝えたい部分」に、その情報そのものを「リンク」して表示してしまうと言う画期的なファイル同士の関連付けが、「エコノミー・メールイン」ではごく当たり前に簡単に設定できるのです。 赤い四角の「リンクポイント」に、関連するファイルが4個表示されています。図面のこの場所に関連するファイルを、視覚的に誰にでもわかる形で保存する機能、「エコノミー・メールイン」だけが持つこの機能を使えば、これまで別々にファイリングしていたメンテナンスの記録などが一目瞭然にわかるのです。大手の会社が施工した沢山のマンションやビルに、利用者を不安にさせる不都合な情報がいろいろあることが連日新聞やテレビをにぎわせています。耐震強度の偽装にエレベータの動作不良事故、プール排水溝の点検不足による事故や回転式自動ドアの事故など、問題だらけです。いずれも、関係者の問題意識や製品そのものの問題など複合的な要因が生んだ現代ならではの事故とはいえ、記録を管理する側がきちんとした手法で第三者に説明できる資料として記録保持をしようと心がければ、いい加減な対応で済まされないものとして真剣に取り組んだはずです。 不幸にも、そうした管理や記録の「隙間」に長年放置された結果が、最悪の事態を生んでいるのです。中にはプール排水溝のように毎年事故があっても、点検の仕方や報告の仕方、記録の取り方利用者への説明などがおざなりであるために責任も明確ではない施設が数多くあるのも事実です。それを解決する手段としてひとつのソフトがあると言うことではなく、基本となる報告や記録の集積が、問題を問題として顕在化させる道具になるのではないかと思うのです。プールの図面を記録しておき、排水溝の写真をその位置にリンクしようとするだけで、針金止めの排水溝の写真は記録に残せないと誰しもが感じるのではないでしょうか。                               (第1回おわり)

●2006.07.22
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