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率先垂範する
リーダーというのは自ら先頭を切って仕事をすることが大切です。 一般には、総大将は全軍の後方にあって全体を把握することが正しいと考えられてきました。トップはどこにいることが正しいのか、私にとって、それは最初からずっと問題であり疑問でした。 トップは大局を見誤ってはいけない。経理の問題、教育の問題、人事の問題、総務の問題、技術の問題、工場の問題、営業の問題など広く見渡して、全てに的確な判断を下し、指示を与えていかなければならないのが社長です。 そのためにトップは、全体が見渡せるような高い丘のようなところへ登って、そこから全軍を見て指揮を執っていくというのが正しいはずだというのが、一般のリーダー論にあるわけです。 私は、どうもそのことに納得がいきませんでした。前線で兵と苦楽を共にし、叱咤激励するのも真理なら、後方にいて全軍を見渡して指揮するのも真理、どちらかに偏っていいわけではないのだな。それなら自分は社員と苦楽を共にしようと考えました。 しかし、いつも前線ばかりいたのでは全体を見誤りますから、全体を見渡すことも忘れないように臨機応変に対応してきました。 実際には、自分が苦労したくないから後方にいるとういう言い訳にしているケースがあまりに多く見受けられます。社長だけでなく、リーダーにとって一番大切なことは率先垂範するということです。 |
渦の中心になれ
自分一人では大した仕事はできません。上司、部下、同僚等、周囲にいる人たちと協力して進めていくのが仕事です。 ただし、自分から積極的に仕事を求めて、周囲の人たちが自然と協力してくれるような状態にしていかなければなりません。これが、“渦の中心で仕事をする”ということです。 下手をすると、他の人が渦の中心にいて、自分はそのまわりを回るだけ、つまり協力させられるだけに終わる場合があります。 会社の中には、あちらこちらに仕事の渦が巻いています。その周囲に漫然と漂っていると、たちまちに渦に巻き込まれてしまいます。 自分が渦の中心にいて、周囲を巻き込んでいくような仕事の取り組み方をしなければ、仕事の喜びも、醍醐味も知ることはできないでしょう。 自ら渦を巻き起こせるような、主体的で積極的な人材であるかどうか、これによって仕事の成果は言うに及ばず、人生の成果も左右されると思います。 |
ものごとの本質を極める
私達は一つのことを極めることによって初めて、真理やものごとの本質を会得することができます。 極めるということは、一つのことに精魂込めて打ち込み、その核心となる何かをつかむことです。一つのことを極めた体験は、そのほかのあらゆることに通じます。 一見してどんなにつまらないと思うようなことであっても、与えられた仕事を天職と思い、全身全霊を傾けることです。それに打ち込んで努力を続ければ、必ず真理が見えてきます。 一旦物事の真理がわかるようになると、何に対しても、またどのような境遇に置かれようと自分の力を自由自在に発揮できるようになるのです。 |
自ら燃える
ものには、他からエネルギーを受けて燃えるものと、それでも燃えないものと、そして自分自身で燃えるものとがあります。 つまり、火を近づけると燃え上がる可燃性のもの、火を近づけても燃えない不燃性のもの、自分で勝手に燃え上がる自燃性のものと、物質は三つに分かれるのではないかと思います。 人間も同様です。ものごとを成そうとするには、自ら燃える者でなければなりません。それは、熱意、情熱が、ものごとを成就していく基本となるからです。 火を近づけても、エネルギーを与えても燃えない者、つまり多少能力はあったとしても、ニヒルで、少しの感受性も持たず、感動することができない人は、ものごとを成し遂げられない人です。せめて、燃えている者の周囲にいるときには、一緒に燃え上がってくれる人であってほしいと思います。 しかし、我々にとって本当に必要な人は、自ら燃え上がる人です。さらに言うならば、自ら燃え上がり、そしてあり余ったエネルギーを他にも与えることのできる人こそが集団にとって必要なのです。 |
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土俵の真ん中で相撲をとるとは、常に土俵の真ん中を土俵際だと思って、一歩も引けないという気持ちで事に当たるということです。
納期というものを例にとると、お客様の納期に合わせて製品を完成させると考えるのではなく、納期の何日も前に完成日を設定し、これを土俵際と考えて渾身の力を振り絞ってこの期日を守ろうとするということです。
そうすれば万一予期しないトラブルが発生しても、まだ土俵際までには余裕があるため十分な対応が可能となり、お客様に迷惑をおかけすることがありません。
このように私達は、常に安全弁を置きながら確実に仕事を進めていく必要があります。