日本の食を守る

▼【スローフード山形】理事長メッセージ

我々にとって緊急の課題とは何か?国際本部のカルロ・ペトリーニ会長は、スローフードの世界的活動の新たな方針として、(1)環境に良い生産活動と、(2)生産者に対する公正な取引を提案しています。これらが世界共通の「食の重要課題」だからです。

日本の食の問題点は何でしょうか?云うまでもなく、食糧自給率の低さとその低下傾向、輸入に頼り切った食糧保障の不安定さだと思います。近い将来の世界的食糧危機に日本はどう対処するのでしょうか。日本国民は「当事者」として、この食糧危機の準備を今から始めなければなりません。

スローフード山形では去る7月28日、理事長、副理事長、専務理事。アドバイザーを中心とした政策会議を開催、この問題をとり上げました。議論の末、当面する食糧問題について、スローフード山形として次の三点を緊急の活動方針とすることを決定し、10月6日の理事会でより具体的な展開を話し合うことになりました。

1.農業をとり入れた、暮らしの推進(家庭菜園・援農・就農)

2.マチとムラの親戚づきあいの推進(農、水産物の直接流通)

3.米を中心とした、食生活の推進(日本型食生活・純米酒)


もちろんスローフード運動の基本的な活動方針である、伝統的な食材や料理を守る。地域の小さな生産者を守る、子供を含めた消費者に味の教育をする。といった事は継続していきます。

日本特有の自給率問題は、無視できない喫緊(きっきん)の大問題なので、我々スローフード山形として取り上げることになったのです。

「スローフード運動」も「地産地消」も「身土不二」も共通しているのは「食のグローバリズムへの対抗網」なのです。日本を始め、世界中が食の商品化と効率化の流れにまき込まれ、均質で画一的なものに変化することを心配し、それを取り戻すために、これらの運動が起きたので、共通項は「グローバリズムに反対し、食のローカルスタンダードを守ること」なのです。この点については夫々共通する部分が多いのです。

自給率は「自求率」と云われるように、生活者が自らの意識を変えて家族のライフスタイルを変えていかなければ、改善は望めません。
この意識を高める啓蒙活動のお手伝いを、スローフード山形はやっていこうと考えております。会員一人一人が自らの暮らしを見直し、周囲に輪を拡げてゆくことから始めましょう。

会員各自の得意分野での活動「私の小さなスローフード運動」として自分は何が出来るかを、お考え頂きたいと思っております。会としては役員を中心に「日本の食を守る」というテーマで県内全域に出前講座を無料で応じることを計画しております。

会員の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。


スローフード山形・理事長 小山 博道
2007.09.21:小山

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