獅子宿

▼減量中のお獅子。なかなか苦戦で

約1sの軽量化はかなりの困難。いままで彫った獅子の中で裏から眉や目玉まで彫り込んだのは初めてです。こうなるとイメージ的に能面の部類になりそうです。今は獅子を持つ役割を、「獅子振りと」言いますが、古くは「獅子冠り」と言って獅子を頭に冠ると表現したらしいんです。冠るといえば王様が冠る「冠」。かなり尊い人のようですね。神社の権威の象徴のような獅子頭は誰彼も持つことは出来ないようにして、それを特権化したようです。「技は盗んで覚えろ」と教えられた世代は今のようにチヤホヤされる事無く厳しく仕込まれたんですね。獅子舞を覚えるために時間もかかったし、先輩も異常に厳しかった。獅子舞の要素には通過儀礼の要素も有り、この苦行を乗り越えられればいっちょ前だと村人に認められたのでしょう。今でも獅子振りには年齢制限が決まっている地域があって、中学生以上から35才までとか、はっきり定年とか決められていております。村の青年団組織が最盛期の時代は、社会生活一般の他、エロエロな諸々の知識まで仕込まれたという、しかも恋愛のいろは、四十八手まで伝授されたという事であります。そこまで人間関係の濃い関係は今では不可能ではないでしょうかねぇ。

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2004.09.28:shishiyado

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