の獅子頭は稀有の機会なのでご覧いただこう。
獅子頭内部の記名が塗り替えで抹消されたが五所神社所蔵の昭和初期の竹田吉四郎の作である。
その後平成に入り太田康雄作、渋谷作の一作目が奉納され、現在は元警護の方が奉納された渋谷二
作目が主流となり獅子舞に用いられている。
集中して一つの獅子頭の使用に関し、複数の獅子頭を使用することをご提案させていただき、竹田
吉四郎作も復帰させることと相成った。その獅子頭は昭和・平成と長きに渡り太田康雄作の獅子頭
と共に例祭の獅子舞や黒獅子祭に使用されてきた馴染みの獅子頭である。私もこの竹田作の獅子が
気に入り一作目の制作の際、この獅子をモデルに制作させてもらった。
現在、竹吉作の獅子頭の白ヤク毛のタテガミは黄金色に染まり貫禄を放っているが、だいぶ毛量
も減ったので復帰のきっかけにタテガミを植え替えする事になった。
かなり以前、鼻から歯にかけて破断していたが、FRPにて修理を完了している。
まず、タテガミを散髪した。絡まった毛は廃棄し、長目のものはグルーで溶着し纏めた。
獅子頭オタクにとってこのタテガミは貴重なコレクションとなり、再活用にもなるのだ。
昭和初期に制作されたこの獅子頭のタテガミの取り付け方は、8mm程の深さの穴をあけ、木綿糸
で束ねたヤク毛を穴に挿し込み、直径5mmの竹のダボを漆又はボンドを着けて打ち付ける。
現在は熱でグルーを溶解して固める方法を用いている。ダボを使う方法より多くの毛を植え付け
ることができるからである。
頭部には3cmごとに三列、耳の下は二ヶ所、牙の真上の頬に二ヵ所、鼻ひげは大きな穴が一箇所
づつ植え付けられていた。以前から古い獅子舞の写真を見るとタテガミが多用される傾向があり
獅子の顔を覆い隠される。歯打ちや風になびいて見える白と黒、金と朱のコントラスト目尻や唇
のめくれ等、タテガミ多用の黒獅子には見飽きる事がない。
これから復帰を期して新しいタテガミを植え付けるのだが、今回は真っ白なタテガミを少し生成色
に染めて仕上げる事にしている。昭和初期、齢98の獅子頭にはその年月を経てきた労苦に似合う
色にしたいものだ。上手く染まることを願っている。
独特な獅子の舌の形状は舌にお神酒を注いで為の形。
渋谷作二作目はこれを見逃して舌を整形し直す失敗をした。



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