昨年11月から成田五十川型の獅子頭の制作を進め2月13日から三頭目の荒彫り
に入った。
春の雪解けの様に制作が進み、もう三頭目は内部を13kgまで削り持ち運びが容
易にしてある。
頭部が三頭目の三女(仮名)は頭部に損傷や大きな割れも発生せず繊維も絡み
合い良好な木地だったが左頬に大きな節が有り、正に玉に傷だった。節の部分は
3cm彫り込み別の材をはめ込んで修正した。仕上げの際にFRP補強と漆の工程で
布張りし強化する予定である。
表皮スレスレの部分に木取りして他の木地とは違い木地がまだらに青味かかって
いる。
しかし三女用に木取りしていた顎の中央に鉄砲(カミキリムシの穴)があった。
その部分を切開し当て木をして修正した。FRP(強化プラスチック)でカバー出来
るが念の為、次女の獅子とすり替える事にした。次女の頭部前歯から鼻の中央に既
に木取りの際に、収縮の割れが生じていたので補欠降格とした。
偶然だが次女は渡部 亨作の獅子と似ている。モデルの獅子を選択するに平吹獅子と
渡部獅子を拝借し検討する事になった。渡部獅子の表情は平吹獅子と比べても決して
勝とも劣らずの逸品だが、表情から醸し出す「品」や「彫り込みの深さ」の違いを感
じる。
次女はFRP補修で振り獅子にも参画可能だが、今後の様子を見ることにした。
生まれたての巨大な三頭を一列に並べてみると、さすがに迫力が伝わってくる。
それぞれの表情に微妙に揺らぎが有り、またモデルの母獅子の血脈を感じるようだ。
再び制作が始まるまで、三獅子は眠りに入った。



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