三獅子と三面と天狗の仕上がり

  • 三獅子と三面と天狗の仕上がり
三頭の獅子と三人の面(三天王)と鳥兜(とりかぶと)を被った天狗面(禰宜)の制作がようやく

完成した。

三獅子と三天王はそれぞれ親と子の関係、獅子も三天王も親がいて三天王の赤い面のうち赤い髪が

親だという。禰宜は動画をみると、こちらの獅子舞同様の先導役の神だろう。





艶のある藍色のタテガミ



試着


獅子は木型を作り和紙を貼り重ね張子にし、竹で踊り子の頭部が収まる籠を作り、FRPで補強し漆

を塗って金箔を施した。顔隠しの麻布を染め獅子に取り付けし、頭部には七光する鶏の黒羽を付け、

青苧の繊維を藍色に染めて布地に取り付けタテガミに整えた。









三天王の脳天には銀の円盤・・月天?と金の角?を取り付け


朱色の長髪


角が勇ましさをアップする


三天王は桐で彫刻し漆を塗り、青苧の髪を取り付けるザルを竹で作り、獅子と同様に青苧を藍と朱

に染め長い髪を作り、顎紐など取り付け踊り子の頭部に固定できる様にした。



鳥兜はメタリックな生地を使用 面の眉やひげは白ヤク毛






頭部が安定する様に笠の五徳を取り付ける


禰宜の面も桐材で彫刻し、加熱すると固まる樹脂の布製の芯を縫製し、金銀の布地を圧着し鳥兜を

作り禰宜の面を取り付けた。



これらの制作は多くの伝統的手工芸の方々の分業による手技の集大成なるものである。

振り返ってみると竹工芸、木工芸、染工芸、張子工芸、漆工芸、和洋裁の技術者を探し出し、取り纏

めることは今後ますます難しいだろう。初見の手本の獅子や面の素材を分析し、どうやって制作した

のかを推測し、制作のノウハウを試行錯誤して組み立てていく制作は黒獅子の獅子頭制作とは違う面

白さを体験した。もし獅子幕のミシン縫製の技術や、獅子頭を幕に取り付けるノウハウ等がなかったら

制作はさらに困難を極めただろう。手業は身を助く・・またノウハウやマニュアルの引き出しがグンと

増えてグレードアップした様な気分になっている。




2025.02.14:shishi9:[コンテンツ]

この記事へのコメントはこちら

以下のフォームよりコメントを投稿下さい。
※このコメントを編集・削除するためのパスワードです。
※半角英数字4文字で入力して下さい。記号は使用できません。
今日 33件
昨日 254件
合計 198,151件