宮内熊野大社の七夕獅子頭展

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南陽市宮内の熊野大社より、今年も七夕祭りの展示に獅子頭借用の依頼をいただいた。

今年は初出品の神楽獅子コレクション三頭を選出。

8月7日3時ごろ展示の様子を拝見に神社に訪れると、例年拝殿入口の階段に設置される

が今日の大雨の為拝殿内に展示する事になったという。

小松の皇太神社の宮司さんがお勤めで、皇太神社所蔵の獅子頭も特別展示されていた。

弊社でも皇太神社の獅子頭を制作させていただいているので、所蔵の獅子頭は取材済の

はずであったが、初見の獅子頭が二頭拝見出来た。蔵にしまってあったという事で目に

私の目には触れなかったのだろう。



左は佐藤某氏の作 右は佐藤太蔵氏の作


一つは稽古で使用しているという獅子頭で、作風は同所の佐藤太蔵氏の作だろう。

太蔵さんは皇太神社の祭りで使用する総宮神社型の振り獅子を制作しているが、こ

ちらは創作風の獅子頭である。



二つ目の獅子は、第一印象では竹田吉四郎風の獅子頭に見えたが、意外にも

「飯豊中津川 渡部 亨」との記名があり、長井市幸町の塗師 熱海長吉氏の筆跡

である。総宮神社型なのだが渡部氏とは思えない角張った獅子の意外な作風で、

眉は珍しく朱で描かれている。よく見ると金が剥離し朱の下地が現れたのだろう。

それにしても細い眉である。


渡部 亨氏の作

青い唐草模様の獅子幕が取り付けられ、前幕は綿の蒸し布を使用しているようだ。




皇太神社所蔵 佐藤某氏の作

今回展示されなかったが、以前皇太神社の社務所にあった耳が欠損した獅子頭もあ

った。皇太神社の近くに住む佐藤某氏が勝手に獅子舞を始めた時に制作した獅子頭

と思われる。また神社には昔、黒獅子以前の伊勢大神楽系の赤い獅子頭があったが、

消失してしまったと聞いている。

小松皇太神社の蔵から現れ、宮内熊野大社に飾られた渡部亨氏作の獅子頭は、一体

どんな謂れなのか調べてみたい。


西大塚の金子豊夫氏の作
2024.08.08:shishi9:[コンテンツ]

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