勧進代總宮神社所蔵の遠藤森助の作をモデルに新しい獅子頭を制作している。
この獅子頭は文政元年(1818)新調と伝えられ、200年以上前の獅子頭が現在も春の例祭で用いられている
事は驚異的な事ではないかと考えられる。
その獅子頭の眼は経年により金箔が剥がれ、下地の赤味かかった箔下が「血走った眼」の迫力の様相を醸
している。勧進代の獅子頭は横町の総宮神社型と比較すると、大型の巻毛の唐獅子型とでも言えるだろうか。
總宮型の獅子と並べて比較して見ると随分違ったデザインなのだが、唇のめくれたシワや耳が立っている事
など構造的には同類と考えられる。
新しい獅子頭木地の検分は完了し、獅子の握り棒の位置やバランスや重さなどの幹部の了解を得ている。
懸案の目の仕上げについては金箔の仕上げモンタージュ画像を提案し、仕上げを蛇の目に描く事を申し合わ
せている。あくまで森助獅子の精巧に復元したレプリカではなく、令和5年に森助獅子を手本に制作した渋
谷作の獅子なのである。この獅子は文政元年の森助獅子には無かった強化プラスチックの補強技術を要所に
織り込んでいる。これから伝統的な漆工の工程に入る。
この森助獅子型の獅子頭は二作目で、一作目は習作として昨年制作したが、塗りを施し完成させ獅子宿に残
したいと考えている。おそらく歴代の獅子彫たちもそうしたに違いない。
試作1作目と2作目
血眼と仕上がりモンタージュ
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