とある神社の獅子頭を収蔵する木箱の墨書きの写真を見て驚いた。
獅子頭は三頭あり倉庫の棚にある。その一つの蓋に達筆の漢語(かんご)の墨書きがあった。
漢語は不得意ながら略してみると・・・。
「 維時(これとき)明治三十四年九月十○五日 天火(雷? 怪しい火)の為
帰烏有(漢語・うゆうにきす・全焼の意)天御(てんご・天からの運命、京都の方言で悪ふざけの意など)
備之(準備していた)獅子四頭(獅子頭四頭)焼亡(焼けてなくなる事) 依之(これによって)
新調寄附候者也(新しく作って寄附したい人がいた) 」という様な意味なのだろう。
獅子頭四頭が不慮の火災で焼失してしまう事は甚大な被害であり、氏子民や関係者にとって衝撃的な大事件
だっただろうと察する。また「天御」の意味が京都の方言というのも最上川舟運で栄えた時代の名残と信仰
の深さを感じる。
疑問なのは、現在神社に所蔵されている獅子頭は三頭。
獅子頭を奉納する時は雄雌の一対二頭を制作して奉納する慣しのはずで四頭所蔵の可能性がある。
獅子頭の新調時に幾つ制作したか記録されてないのは残念である。
ひょっとして、棚の奥にもう一頭121年間お隠れになっているかも知れない。
発見されたら「棚からぼた餅ならぬ棚から獅子頭」なのだがどうだろう?
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