長井市平山の個人宅に獅子彫り師 太田康雄氏作の一対の獅子頭を発見した。
獅子頭内部に記名があり31年前の平成3年8月吉日とあった。
記名の書体から塗師は熱海氏だろう
雌獅子と思われる獅子の眉は飯豊諏訪型で刻まれた谷には金箔が押されている。
この眉の様式は飯豊町小白川神社の獅子頭に同様で、太田氏独特の創作と思われる。
この太田氏の様式は長井市本町の加藤家の一対の獅子頭や、何箇所か記憶がある。
歯に金箔を押さず、お歯黒は雌獅子の象徴と考えたのだろう
太田氏は長井市平山の大屋敷で制作した時期があり数多くの獅子頭を制作している。
雄獅子の総宮型の獅子頭の目に特徴がある。円柱状に飛び出し、歌丸の天保9年の獅子頭
の目の形が思い浮かぶ。
歌丸神社の獅子頭
太田氏はやはり平成5年頃に歌丸神社の獅子頭を制作していた。
太田氏の作る獅子頭の特徴は獅子の見開いた様な目に現れている。飯豊町黒沢坪沼の塗師
だった家の黒沢家には渡部 亨氏の作の総宮型の黒獅子があり、太田氏同様の見開いた様な
表情の獅子頭だった。渡部氏は小屋で時代的に太田氏より早く獅子頭制作を始めていたので
太田氏が制作した獅子の型は渡部氏のスタイルに基づいたものだったのだろう。
渡部氏は晩年にかけて、総宮神社の獅子頭の型を感知し歴代の獅子の形に近づいている。
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