あやめ公園の駐車場そばのお手洗い側に大柳があり本日、伐倒された。
すぐ近くに電柱があり、以前から枝が電線の障害になり民家やお手洗いに倒伏する危険や苦情も出て
の事だった。
大柳は島の様に水路に囲まれ簡単には伐倒できないので、伊佐沢の伐採工 佐藤仁敬氏に依頼された。
佐藤氏は特殊伐採の精鋭でツリークライミングの空師でもある。
朝一番、現場に到着すると栃の伐倒処理が終わり、柳の主要な枝は払われ、幹の根元の受口を作っていた。
受口は伐倒する方向から斜めに切り口を作り、反対側から追口を伐るという伐倒技術。
佐藤氏は受口から柳の芯や内部を伐る為にチェーンソーを差込み内部を切り、最後に追い口を入れ伐倒する。
外側の皮の部分を残し、クサビを打って伐ると伐倒の際の割れヒビの材のダメージが少なく伐倒工の腕の見
せ所である。流石、佐藤氏の流れる様な伐倒作業は見事で戸惑いが無い。クレーンでの吊り上げや、スタッフ
達の連携も素晴らしい作業風景だった。
いよいよ伐倒の瞬間である。一気に倒れるかと思いきや、徐々にジャッキで引っ張り60度程に傾いてから
静かに地面に突っ伏した。ドスンと鈍い衝撃が足に伝わる。予想した繊維が裂ける凄まじい音も無かった。
チェーンソーが巻き上げる生々しい木屑は白く、腐朽して黒くなっている木屑は皆無。
一週間前に下見し、この柳の根元は1m超えの大木と見たが、倒れた大柳の木口の巨大さに驚いた。
近くで確認すると、鉄砲虫(カミキリムシ)や腐朽も無く瑞々しい。
幹を三分割し駐車場にクレーンで吊り出しながら重量を計ると根元は4.5トン、中間部と上部は2トンで
計8.5トン。
4.5トンの根元上部は重すぎて安全に運べず膨らんでいて1mバーのチェーンソーでも玉伐りは大変だろう
と思っていたら、あっさり運んでいる間に伐られていた。最近、直径3mもの大銀杏を伐倒した話を聞いて
なるほどと感じた。こういう成功体験を重ねて職人技の年輪を積んでいくのだろう。
今日は一旦、獅子宿の駐車場に運び入れて終了し、明日クレーンで隣の畑に移動する事とした。
昨年11月、野川の上流の柳が細く感じてしまう巨大さに、この大柳を果たして捌けるかどうか・・?自問自
答してしまう。
春萌える寸前で断たれた、貴重な柳の命は余す事なく活かしたい。
この記事へのコメントはこちら