飯豊町諏訪神社所蔵の天保元年と天保二年の獅子頭に因んで「飯豊諏訪型」と
呼ばせていただいている。手ノ子八幡神社所蔵の安永九年がこの型では古いが
眉の形が雲型とノコギリ型との違いがある。年代順から見ると長井市平山熊野
(雲型)神社所蔵の安永九年の獅子、手ノ子(ノコギリ型)、天保の萩生諏訪
二頭(雲型)と連続して制作されている。歌丸神社の天保九年は(ノコギリ型)
と制作者はいずれも長井の高橋小兵衛と考えられる。
現在制作中の獅子頭の手本として総宮神社の元治元年再興の獅子頭も小兵衛と見ているので、小兵衛の
造形力の素晴らしさを身にしみて感じている。
雲眉型の獅子頭木地を手本に制作中
顎制作 未乾燥時に顎を合わせて制作してしまうと、収縮の為ズレが発生し易い
荒彫りしていた八頭目の木地を、未乾燥の状態で彫り進めている。一連の制作で
未乾燥の状態で制作を進める事が重要であると確信したからである。手斧カンナ
やノミ、チェーンソーを駆使するにおいても道具や身体に乾燥材と比較して負担
が少ないのだ。技術力の向上に相反する、加齢と共に視力体力気力の低下を感じ
る。まだまだ能率改善を行わなくてはと思う。
モデルの獅子から耳を借りてつけてみる
モデルの獅子は飯豊町伊藤彦右衛門 明治10年頃の作。
総宮神社の歴代の獅子は後ろから前にかけて幅が狭まるが、彦右衛門の獅子は寸胴な構造が特徴だ。
作風を見極める時も判断条件の一つになる。
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