川西町西大塚大沖の明治期 渡部十左衛門の珍しい黒獅子である。
高さ18cm幅21cm奥行き23cm耳の幅は39cm
縁あってタテガミを植え替えた。
十左衛門は西大塚八幡神社、上小松大宮神社、南陽市梨郷神社などの獅子頭を制作している。
一貫した作風で同じタイプの型の主に赤い獅子を作った。
黒目の外側に輪郭のある蛇目を描き、越後村上風の大きな垂れ耳、幾重にも重なる大きな鼻筋
脳天には鉄板製の二層の円盤の中心にクサビを打ってタテガミを固定していた。表面に傷を付
けず、取り外すのに苦慮した。
なぜ越後風の作風なのか、獅子を彫るきっかけなど不詳である。顎は軸棒を通す部分が無く、
板状の作り方で、米沢の仏師桂八郎と類似した感がある。
隣の地区の彫刻師 金子熊太郎(貞則)の影響も感じる所だ。孫は画家 渡部源太郎 中央画壇
で活躍している。
この記事へのコメントはこちら