昭和初期の吉四郎獅子

  •  昭和初期の吉四郎獅子
 


 この獅子頭には記名が無いが、作風で長井は九野本 竹田吉四郎の作である事が分かる。
高さ16cm幅16cm奥行き18cmと小振りの獅子頭。

塗られて、まだ90年程で黒漆はもう褐色化が進んでいる。擦り傷も無く、金箔も比較的残っ
ているので、子どもの獅子舞ごっこには使われず大事に飾られていたのだろう。




ただし、耳は長井の獅子の形と塗り分けが違い、作り直された耳だろう。タテガミの植毛の
依頼で、今回は白馬毛を用いた。
小型の獅子には白ヤクを用いるが、細めの馬毛もなかなか良い。馬毛は腰が強く、植え立て

は毛がはねるが電気コテで癖をつけるとしっくり収まった。

白いタテガミを植えると獅子は1.5倍ほど大きく見えてくる。獣感も増して獅子の表情も豊か
に見える。

タテガミが短くなると経年の貫禄が出て彫刻が露わになる・・・またそれも良い。







2022.02.25:shishi9:[コンテンツ]

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