昨年末、個人から制作依頼の獅子頭二頭を納めた。
モデルは大仰しく言えば「総宮神社所蔵最古の寛文11年改型」と「手ノ子八幡神社安永九年高橋小兵衛の作の型」
である。
手ノ子の獅子は、モデルの獅子の写真から、原寸大の紙型を作らせてもらって制作した。
依頼主の父親が手ノ子出身の方で、古里の獅子頭をモデルにする事になった。
手ノ子の獅子は大きく捉えると総宮型なのだが、邪鬼の様なギザギザ眉が特徴である。
飯豊町の萩生の諏訪神社に見られる、天上を凝視する天眼系の眼と雲型の眉をギザギザ眉にすり替えたような
デザインに仕上げている。そのギザギザ眉は歌丸神社の獅子型に見られるが直線的で、手ノ子の獅子の眉は曲線
で刻まれ、成田五十川型のギザギザ型の眉とも異なって、唯一のデザインである。記名には安永九年(1772)
で飯豊町では中津川岩倉神社の獅子の次に古い。
ほぼ同時に制作した総宮型の寛文11年(1671)改の獅子は手ノ子の獅子より100年以上も前に制作されている。
そして西暦2022年の正月。寛文11年から351年経たが・・
この獅子のデザインを創造した彫師たちの高みまで辿り着くには、まだまだかかりそうだ。
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