伎楽面獅子の制作

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以前から制作を考えていた正倉院伎楽面の師子面(木彫128号)の模刻を始めた。
先日、古書を検索し「正倉院の伎楽面」を入手し、その付録にある写真実測図の師子面の図面を
実際の寸法に拡大し(縦35.0cm 横33.5 奥38.2cm 3958g)その他正面図など、写真から原寸
図に近い数枚の図面を制作した。等高線地図の様な写真実測図と不鮮明な写真からは、細部を読
み取るのは難しく、想像力を膨らませるしかない。


「正倉院の伎楽面」より引用






今回は、「一木造り」でなく敢えて「寄木造り」の制作方法で制作をする事にした。先日偶然入手
した柳の丸太原木であるが、今後獅子頭の材料資源の枯渇を想定して寄木造りも制作の選択肢に加
えなければならないだろうという試案と、次の制作の為の試作準備も兼ねて行う。寄木造りは4cm
程の柳の厚板を組み合わせて木工ビスで仮止めする。以前名古屋型の寄木造りでの獅子頭を調べた
報告を行った。



江戸時代は仮止めは何で行ったのだろうか? 釘では固定力が強過ぎるので「膠(にかわ)」を使った
のではないだろうか?熱で溶解し冷えると固まる性質から、一旦パーツをバラバラにし、内部を彫り
込んで薄くしてから再び固定したのではないだろうかと推測できる。

制作には、緻密な型紙や耐久性ある型板を作って量産したのではないか。獅子の各パーツを型板に添
って量産し、組み立てるといった分業化を行えば、同じ形の製品が生産可能である。


二日目の制作

寄木造りのメリットである分解出来る事がある。頭から眉の下まで外すと目と眉の段差の奥まったと
ころの彫り込みが容易である。一木造りでは、このタイプの獅子頭の加工し難い場所で、瞼などの細
部の彫りや研磨に手間取っている。目と目の間の部分も外して加工が可能で、鼻が邪魔な目元もやり
易い。







牙と軸穴部を取り付ける。この部分を後付けすると材料の節約になる。牙などは木目を変える事によ
り強度を増す事になる。

右側面の型紙を反転させ印刷し左側面の型を作る。三日目は顎と耳までを作る予定で、大まかな全体
像が見えてくるだろう。



三日目の制作状況 写真の位置に近い位置から撮影してみた。
レプリカは後ろの木口のアーチ型がだいぶ角ばっているので修正が必要。
奥歯の臼歯が写実的で、上下の歯に鉄板が取り付けられている様だ。歯打ちをすると金属音がするだろう。

2020.03.17:shishi8:[コンテンツ]

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