1月18日、東京シシマイコレクションフォーラム2020の下調べ以来・・東京には金色大獅子が多数眠っ
ているのでは?という疑念が頭を持ち上げてきた。風邪の養生も兼ねて1週間、パソコンに張り付いて東
京23区の神社のお祭りのネット調査を行った。すると有るわ有るわ・・確かに東京23区に921万の人口
に数多の大小神社が有る。東京は神輿が祭りの中心的存在であり、確かに神輿には厄除けの獅子頭一対
が付き物だった。
調査の途中で一旦、調査結果を締めてみた。大型の金色(全金箔)獅子頭(雌雄)一対が主で、獅子頭
の後部には尻尾と思われる「おげん」が取付けられているのが特徴である。「おげん」の名称について
は今回の調査で初めて知った事は大きな収穫である。地域独自の伝統的な名称だろうが、貴重な手がか
りである。以前でこのブログでも紹介した白鷹鮎貝八幡神社の獅子箱に、その一対の「おげん」を発見
した。獅子頭は京都から伝わったと伝承されているが、「おげん」の存在や獅子頭の形から関東系の作
と睨んでいる。また、「おげん」の存在する獅子頭の様式は関東系に見られる限定的な特徴である。
京都の獅子については次回ご紹介したい。
葛飾区柴又胡録天神社の獅子頭 「歴史の浪漫街道/祭りだ!神輿だ!お江戸の神輿暦」より引用
鮎貝八幡神社の「おげん」
東京の獅子の造作は手の込んだ複雑な彫りで、古いものでも幕末にかけて寄進されている。後藤直光
や後藤利兵衛橘(たちばなの)義光などの神輿の工房が獅子頭も同時に制作して納めていたのだろう。
江戸川区9社をはじめ墨田区6社。新宿区5社。千代田区と港区、荒川区が4社。足立区3社。中央区と
文京区、台東区、江東区、品川区、葛飾区が2社。大田区、杉並区が一社に獅子頭を発見した。目黒区、
渋谷区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、中野区はまだ発見できていない。23区のうち16区の神社に
獅子頭が有り、7区にはまだ確認できなかった。東京都は23区の他、26市5町8村あり巨大金色獅子所
蔵の神社も多数出てきている。更に、行徳と言われる著名な神輿が千葉県木更津にあり、江戸神輿に多
数残されている。
今回の調査で東京23区の神社51社に金色大獅子一対が所蔵されている事が分かった。複数所蔵する神
社もあるが大抵一対あり、100頭以上存在している事になる。神輿中心の祭りで獅子頭については、詳
しい資料が少ない。加えて関東大震災や戦争の空襲で焼失してしまった獅子頭や資料もあるようだ。19
日訪れた亀戸の天祖神社の豪奢な巨大獅子の作者も空襲で焼失し資料が不詳という話を聞いた。
調査は始まったばかりだが、東京の金色大獅子頭の文化は底知れぬ深さと巨大さを感じる。ようやく、
その扉を開けようとしている。
- 新着コメント
-
2023.10.05 (獅子宿店主)コメントありがとうございます。
-
2023.09.22 (タイム風呂敷)神主様の件
-
2020.11.10 (鬼喜來のさっと)追記
-
2020.11.10 (鬼喜來のさっと)お返事有難うございます。
-
2020.11.05 (獅子宿店主 渋谷)鬼喜來のさっと 様
今日 66件
昨日 105件
合計 114,812件
昨日 105件
合計 114,812件
この記事へのコメントはこちら