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鑑定云々は素人ですので出来ませんが(苦笑)、権現様の鼻筋にある宝剣の彫刻に関しましては、私の地元である旧仙台藩領の伊勢太神楽系の権現舞(獅子舞)や虎舞、鹿踊りの頭には見られないものであり、旧南部藩領の霊峰早池峰山周辺に伝わった早池峰神楽や黒森神楽などの山伏神楽系の獅子頭によく見られる彫刻の様ですね。 元々は鼻筋を表す皺の彫刻であったものが変化したもので、鼻先が尖っているものがあることから獅子鼻自体を宝剣、恐らくは魔除けや生殖の象徴である男性器に見立てたものと推理してますが、その代わり頭頂部の宝鏡や宝珠が表されない事が多いので、この強調された鼻の宝剣が不動明王や山神等の神仏の依り代になって居るのではないかと考えられます。私が所蔵する獅子頭の日輪も大日如来と同義であり、ネットで調べると大日如来は七頭の獅子の上に坐すると旧い密教の経典にあるんだそうですから、納得ですよね。しかもこれは慶派の大日如来坐像の獅子の装飾についての説明ですから、岩手県最古とされる宮古市黒森神社所蔵の無銘の獅子頭も雲慶作と伝わっているそうで、東北の獅子頭と慶派にはそちらの考察通り何か繋がりがあるのかも知れません。 また、よく獅子頭は剣や刀を齧ってますが、刀剣は陰陽五行説では金気であり、獅子頭は十二支の寅で木気(色は青や緑)であり、三合会局では火気の始まりですから、金剋木や水剋火の理で荒魂とされる獅子頭を押えるという呪術的目的もあるのではないかと。やはり梵字の大日如来も同じ意味で、未・申年生まれの守り本尊であり、獅子舞や鬼剣舞で、鬼や虎が猿に擬される三番叟や天狗(猿田彦)、ひょっとこ(原型はうそぶき面で黒式尉と同じ)などに鎮められる様子を表すのも、みんな陰陽五行説による申と寅の対立を表しているんですよね。
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