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獅子宿燻亭樣お返事頂きありがとうございます。実は件の梵字入り獅子頭について、地元の岩手県ではご存知のように獅子頭を権現様(ごんげんさま)と呼んでいるのですが、届いてからじっくりと傷などの状態をみていると、すっかり忘却していた幼いころの記憶の記憶が蘇ってきまして、この獅子頭、恐らく私の地元のとある旧家に伝わった、幕末の安政期に出羽三山の修験者によって持ち込まれたとされるもので、三十年ほど前のバブル時代に骨董市場に流れて行方不明となって居た獅子頭ではないかと思っているんですよね。 確かまだ自分は小学生の頃でしたが、当時は踊り手が多かったため、頭数を増やすため地域の祭礼に貸し出され、その時すでに割れたり漆が剥げたり耳が取れたりして痛んでいた獅子頭の簡単な修理を行ったり、専門業者に依頼したのが、手先が器用だった今年亡くなった私の父であり、その際に間近で見て触っていた記憶があるんですよ。私が中学の頃、既に売られてしまったことが解った時、父は残念がっていましたが、確かに梵字があって珍しい権現様であったと言っていた気がするんですよね。 父も亡くなり、古い記憶過ぎて、これが事実であったかはまだ確証が持てずにいるのですが、もし売られていなければ先の東日本大震災の大津波で流失していた可能性も高く、こうして今、地元に戻って来て私の手元にあるとは・・・、なんとも不思議な権現様です。折角入手したので、今度の正月あたりに勤め先の老人ホームで新型コロナ禍で寂しい思いしている利用者を噛んであげようと企んでますが、本当は金銭的に余裕があれば、そちらに依頼して綺麗に修復してもらいたいんですが・・・(苦笑)
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