昭和56年長井市の故海藤武五郎氏の作の獅子頭が獅子宿に展示される事になった。
平成6年頃、黒獅子研究会で獅子頭展を開催の際に、当時獅子頭制作をしている彫り師の
方に取材して、海藤氏宅にお邪魔している。総宮神社の北側に住宅があり、海藤氏は温厚
な好好爺の笑顔が印象の方であった。しかし今年、そのお宅も解体されたと聞いている。
海藤氏作の獅子は縁あって、長井出身の亡くなったご両親の遺品である。この度、ありがた
い事に相模原の方から獅子宿に展示するよう寄贈いただく事となった。
大きさは奥行き30cm高さ25cm幅32cmの小振りの獅子頭である。総宮神社の竹田吉四郎の
作を思わせるような作風で険しい表情で睨みが効いている。耳が埋め込まれて固定されてい
る。海藤氏の獅子頭については、ほとんど個人蔵で、彼の作風を残す獅子頭としての貴重な
資料となるだろう。