11月7日に仙台の塩竈神の獅子頭を拝見に訪れた。
神社には以前訪れたが、資料館があり獅子頭が展示されている事は知らなかった。
昨年、この一対の獅子の情報をもらい気になっていた。実物を見ると写真では気づかなかったが
奥行き60cmは有り、巨大だ。側に大型の神輿二基も展示され、その大きさに合わせて作らせた
のだろう。やはり解説を見ると獅子頭は神輿が作られた同時期の享保年間に作られ、明治期に補
修されたと記名にあった。現在年に三回神輿が渡御し、新しい小振りの獅子頭がその露払いに付
くという。新しい獅子は神輿の組織で管理し、見る事は出来なかった。獅子の脳天に角と宝珠が
付けられ、重さも相当あり、渡御も相当大変だっただろう。
極彩色の社殿と獅子
塩竈神社を後にして、目星を付けていた利府町の牡蠣小屋に向かった。小さな入江の漁港に養殖
の牡蠣加工所を併設している。冬になると牡蠣好きの性か、無性に牡蠣小屋の響に過敏になる。
以前から何ヶ所か牡蠣小屋を巡って満足して帰ってくる。こちらは浜田かき生産組合で運営して
いる店で、オジサンが1人で切り盛りしていた。牡蠣のシーズンも早いのだろう、殻の割に身は
ほっそりとしている。12分ほど鉄板で蒸し焼きすると、殻を開けてみると食べるのが気の毒な様
だったが、磯の香りと、旨味は充分満喫出来た。30分で食べ放題2000円で、もっと食べられそ
うだったが、腹八分目で有難く終わりにした。
次は高速道に乗り、三本木町若宮八幡神社に訪れてみた。
平成12年に東北歴史博物館にて開催された「東北地方の仮面 ー芸能と祈りの心ー」の展示図録
にネットオークションで入手した獅子頭と類似した獅子頭が数展発見した。その獅子が仙台市の
三本木 若宮八幡神社と亀岡八幡神社、大崎 八幡宮、加美町 薬莱(やくらい)神社の獅子頭だっ
た。各々神社は離れていて、三本木 若宮八幡の他、仙台市内の亀岡八幡宮の二社を訪れる事が出
来た。三本木若宮八幡神社の獅子頭がコレクションの獅子と一番似ており、いの一番に訪れてみ
たが調査は出来なかった。亀岡八幡宮は傾斜地の、入り組んだ住宅地とは思えない、長い急な石
畳を上った所にあり難儀した。宮司さんの話を聞く事が出来たが、亀岡八幡宮の獅子頭は公開し
ておらず、現在神社には無いという。
「神社は江戸時代初期 天和13(1682)年頃に造営し、小野田町(現在 加美町)薬莱神社の社家
を移し、神楽を伝えたといわれる。獅子舞もこの際に伝わったと思われ薬莱神社とその周辺で用
いるものと形状が良く似ている。下顎の底面に三本木若宮八幡神社同様に湾曲した取手が付いて
いる。」(東北地方の仮面より抜粋)とある。コレクションの獅子頭も下顎の底に同様の取手が
あり、四獅子と共通した特徴を備えている。特殊な材を煮て柔らかくし、曲げて穴に差し込んだ
のだろうか。
コレクションの獅子頭
薬莱神社の獅子頭(東北地方の仮面より引用)
亀岡八幡宮の宮司さんの話では、薬莱神社の三輪流神楽は現在も例祭で継承されているとか・・。
以前、岩手県一関市の山谷小学校(現在廃校)で亀岡八幡神社から神楽を習った事があり、コレ
クションの獅子は、その山谷小学校の獅子ではないかとも考えられるという。調べてみると山谷
地区にも神楽があった様な痕跡が残っている。11月23日に薬莱神社の新嘗祭があり三輪流神楽が
奉納されているらしい。加美町は山形県寄りの鍋越峠付近にある。