獅子頭の幕穴に紐を取り替える依頼である。
獅子頭に幕を取り付ける際、獅子幕を頭の幕穴に直付けする方法と獅子頭に取り付けた紐に付ける
二つの方法がある。神社によって様々だが、古い獅子を見ると後者の方法が昔ながらの取り付け方
のようだ。
両軸穴部の獅子が口を全開にした時、下顎端の先端が当たりストッパーになる。そのアゴの端に幕
穴が垂直に開けられている。頭部上から幕穴に通してきた紐をそこに通し顎に繋げるのだ。川原沢
巨四王神社の竹田吉四郎の作の獅子の獅子幕取り付け紐を二回取り付けたが、特殊な工夫された取
り付け方で、要所を写真を撮ってから取り付けた。直付けの方法は一穴一穴ほどけないように結ん
で固定する。軸棒付近、獅子頭の口の開閉をする為に獅子幕をたるませて取り付ける。
幕紐を顎部の穴に取り付ける為、たるんだ部分のロープを縫い込んだ幕の部分に編んでいく。私が
習った方法は直付け法で、幕の正面を右側に二つ穴分ずらして取り付ける。そうすると獅子頭を左
横にあるので、獅子幕の透過性ある麻の部分を広く取れるというものだった。獅子舞が終わると、
幕洗いの為に獅子頭を幕から外す。獅子の口の中に取り付けた赤い布の口幕も当然外れる。口の中
の幕紐の部分に口幕の下の端を固定するから、幕を外すと外れてくる。その獅子幕を細く手でちぎ
って、獅子振り達や関係者に直会で御守りとして配る。幕を固定した紐は男の子が生まれる呪いに
なるという言い伝えがあると聞いている。
依頼の獅子頭は飯豊町の神社、明治期の小関久蔵の作。塗り替え修理の際に穴が細くなり3mmの
紐でさえ入らない。穴を大きく開け直ししても良いのだが、前回は細いナイロンの紐を二重にして
取り付けてあるので、同じ方法にし前回より幾分太い丈夫な紐を取り付けた。
今日は山形のイベントで長井と飯豊の神社の獅子舞を披露されるようだ。白鷹町西高玉の瑞龍院で
は高玉芝居の公演と稲荷神社の獅子舞が披露される。6日YBCでは飯豊の獅子舞の特集を午後から
放映されるとか。天候も回復してきたので、良い獅子舞日和になりそうだ。