車中は獅子の話で盛り上がり、7時間の高速道の退屈は微塵も無かった
が運転手の方の御苦労ぶりは感謝しきりである。
目的地は南砺市で開催された「南砺獅子舞 令和元年夏の陣」。
会場は木彫りの店が立ち並ぶ八日町から全国4位の規模を誇る瑞泉寺へ
市内6団体が練り歩き、瑞泉寺拝殿前で20分程の獅子舞を各々披露した。
富山の獅子舞は氷見、射水、下新川、金蔵、そして砺波系の獅子舞に分
布され、1200箇所にも及ぶ。その中でも井波は木彫の盛んな町であり、
店頭には獅子頭が飾られ、正に獅子舞の聖地である。
白鷹町にも北陸の様式を匂わせる獅子頭が有り、それを確かめる良い機会
でもある旅だった。長井市は総宮系黒獅子が主であるが、勧進代と白兎、
白鷹町西高玉の獅子頭は唐獅子を思わせる複雑な彫りが、富山風の獅子の
様式を感じさせる。
その他、花作の熊野神社、成田 善明院の子獅子。下伊佐沢稲荷神社の獅
子舞は頭上に上げず腰の位置での舞い方は砺波風である。砺波系の獅子舞
は多人数が大幕に入り、竹をアーチ状に曲げた物を幕に仕込む。この方法
は朝日町の杉山、宮宿、大谷で見られ、富山系の獅子舞の影響を受けた獅
子舞だった。
まず最初に能登半島の付け根に位置する氷見市の獅子舞ミュージアムを訪
れた。氷見獅子舞ミュージアムは公民館が並列され獅子舞を演ずる広い会
場が整備されていた。
![](http://samidare.jp/shishi7/box/IMG_8764-xx.jpg)
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天狗の面
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ご祝儀を大きく描いて獅子舞を中断し、口上を披露する
富山の獅子舞には、烏帽子やザンバラ髪を被った「天狗」や「獅子あやし」
が獅子と対峙する。「獅子殺し」という芸能化された余興的な演目があり
獅子に取り付いた邪気を退治するのだという。長井の獅子舞の角力や警固
の形や、獅子との格闘に共通したものがある。しかも獅子の舞手たちは化
粧回しを身に付けて舞う。
囃子は主に、たて笛と「チャンチクリン」という鉦と長胴太鼓。太鼓は
四輪付きの小型の屋台の太鼓台に載せて移動する。立派な構造で中央に
六尺余の若松を立てるところが特徴である。
![](http://samidare.jp/shishi7/box/IMG_9016-xx.jpg)
氷見獅子舞ミュージアムの獅子舞シアターで10分ほどの獅子舞動画を見
学し、南砺市は井波の瑞泉寺にナビ設定して出発した。
引用 特別展 氷見の獅子舞 平成24年発行 氷見市立博物館より