毎年、町内の個人宅の獅子が熊野大社に1日限定で集まるのだ。
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獅子頭たちも一年ぶりの再会
顔ぶれは大体同じだが、今年は見かけない獅子頭も出品されて
いるとのことで調査に訪れた。先月、南陽市荻(おぎ)の出羽
神社で獅子頭を発見し、作者は明治期,宮内出身の小関庄左衛門
であることが判明した。すぐ宮内の知人に問い合わせたところ
庄左衛門の親戚筋で、その家系図まで拝見できた。小関家は漆
の塗師でもあった事が分かっているが、既にその家は途絶えて
いた。庄左衛門の作の獅子頭も展示されているはずと記名を調
べるが、見当たらず作風で推測するしか無いのである。
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この二頭が庄左衛門の作ではないか?
出羽神社の獅子頭の作風を元に、いくつか思い当たる獅子頭は
リストアップ中である。個人宅の獅子頭には記名が残されてい
るものは少ない。
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展示の獅子頭
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熊野神社の梨地塗りの獅子頭
その中で、川西町中大塚 熊野神社と同じ珍しい梨地塗りの獅子頭
が一頭あった。
梨地(なしじ)塗りとは
梨地粉とよばれる金粉や銀粉を漆塗りの平面上に蒔いて上から透
漆を施し、研摩して金や銀を浮き出させる技法です。仕上がりが
梨の肌のように見えることからついた呼び名で、蒔絵職人が蒔絵
の一部として行うこともあります。
その獅子頭の作風と同じ獅子頭が展示されていた。直感的に川西
町吉田の大工 嶋貫弘志氏の作風であると感じたのだ。左右対称
のきっちりとした作風は大工さん特有の職人技である。ただし梨
地塗りは修正がほとんど無理で飾り獅子に向いている。
おそらく中大塚熊野神社の獅子頭は嶋貫氏の作だろう。
やはりこの様に獅子頭を研究するには、数多く獅子頭を見て、作
風を感じ取る感覚を養うことが大事だと感じた。