獅子頭検分2
当店、獅子宿燻亭に集まってもらい小松皇大神社の獅子頭の再検分を行った。 前回の検分で重要な軸棒の位置の変更の依頼があった。二本の軸棒の内、上を太くし下を 細くして下の軸を奥に1cmほど移動し軸の幅を1cm広げて穴を開け直した。獅子頭を両手 でかかげる姿勢で、獅子頭の顎を下に引くスタイルに適した軸の位置になる。 警護と獅子の絡みでは警護掛かりの際、警護が獅子の舌付近を掴み、獅子を前に低く伏せ 苦しげに口を大きく開ける。その際、獅子振りは軸棒を握って右腕一本で突き伸ばす。左 手は下顎を握って支える。警護が間合いを見て、獅子を力ずくで上に掲げてはねじ伏せる という迫力ある動作を繰り広げるのだ。獅子頭の重みを突き出した両手で支えなくてはな らず、腕力が問われる。長井市の泉や河井の警護掛かりと同様のスタイルである。 現在用いられている獅子頭は太田康雄氏の作で、計量してみると5.25kgで比較的軽い。 木地の獅子は現在4.8kgで補強や塗りが入れば6kg近くになるだろう。以前より重い獅 子頭を操る為に、耐え得る肉体を鍛え上げる事 長井では総宮系の頭上に乗せるスタイルとは違い、頭上にのし上げるスタイルの神社の獅 子でも6kg以上が普通で、成田や五十川では8kg近く重い獅子を用いている。置賜の獅子 舞の意義には稽古で体力を養い、獅子舞という苦行に耐える事で心身を浄化し、生まれ変 わるという出羽三山信仰が込められている。 獅子頭の重さに耐えるうる肉体を鍛え上げる
2019.06.16