仏壇のお焚き上げと一緒に灰になってしまう所を救われた。
奥行き19cm高さ15cm幅17cmと小さいが、卓越した技術と造形を見せている。
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![](http://samidare.jp/shishi7/box/IMG_0339-s.jpg)
素材は割れもなく、歯打ちをすると松系の響きを鳴らす。
ロウソクや線香のススが付着し、磨いて使用した打ち傷が多数見られるが、長年に渡り子供たち
が獅子舞ごっこに明け暮れた証拠を残している。いつしか仏壇の引き出しに仕舞い込まれて忘れ
られたのだろうか? 古さを想像すると幕末辺りが浮かんでくる。目の角度がいい。鮎貝八幡の古
い獅子の様に目の下端を彫り込んで、目線が上向かない様に彫っている。眉毛が目に掛かって奥
目がちに睨んでいる。眉毛の波がぐっと上に逆立ち、なびいていかのようだ。下唇と舌に見覚え
がある作りである。
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桐の耳の内側に見た事のない工夫が隠されたいた。内側を彫り込まず溝が彫られている。耳が動
いて眉毛に当たり欠けないような工夫だろうか?
寒河江平塩付近に高山文五郎の作の獅子頭を確認しに行ったことがあり、文五郎の作とも考えら
れるが、見覚えある舌は川西町小松の新山神社の古い赤い獅子である。同じ作者と思われる獅子
が玉庭の三ヶ所に見られ、以前ここで紹介している。また二井宿の大社神社で見た獅子にも同類
の作風を感じる。
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![](http://samidare.jp/shishi7/box/IMG_0181-2.jpg)
玉庭松尾神社の獅子頭
縁あって獅子宿に訪れた獅子頭は情報は少ないが、これから様々昔話しを語ってくれるだろう。
この獅子のレプリカが生まれるかも知れない。
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