飯豊町小白川お伊勢堂の獅子頭

  • 飯豊町小白川お伊勢堂の獅子頭
 飯豊町小白川の奥、上郷地区に舟山家の守り神、お伊勢堂がある。明治17年頃、舟山順太氏が伊勢神宮で
祈祷の御札を受け持ち帰り、小さな祠に納めたのが始まりである。五人組が賛同し旧の6月17日を例祭日と
定めて、笛や太鼓、獅子頭を買い揃え子供の祭りとして発足した。





その後、昭和30年後半まで続いたが子供が減少し廃絶したという。舟山家で神社境内に遊具を整備したり桜
を植樹し、花見を行っていた。






飯豊史話 小野猛夫氏著「高野の神明様」から獅子頭の存在を確認していたが、12月5日漸く取材が実現し
話を聞くことが出来た。舟山家には獅子頭と太鼓が保管され、御伊勢堂の中には田楽提灯が数台残されてい
るだけである。





舟山家当主は現在26代目の旧家で武士として越後から移り関所番人を務めたという。天狗山の管理も務め
ている事も、その由縁からだろう。小振りの獅子頭を拝見すると記名は無いが、長井九野本の獅子彫り師、
小関久蔵の作と思われる。タテガミは絹糸が植えられ、鼻髭は無く、わずかに獅子幕の切れ端が残っていて
木綿の浴衣生地の様であった。「直正」の焼印がある小振りの太鼓は親族でもある太鼓師の山口徳次氏が胴
を磨いて塗り、皮も新しく張り替えて整備していた。

この上郷地区の舟山家の御伊勢堂が明治17年頃に、江戸中期頃から五十嵐家才頭神社で子供の獅子舞を始
め、時代不詳だが一ノ宮神社では大人の獅子舞があった。昭和35に一ノ宮神社と猿田彦神社が合祀され新
しく小白川神社に生まれ変わり獅子舞も継承されていて、信仰深い地区である事が分かる。伊勢信仰に関
わりが深い猿田彦神社でも合祀以前に獅子舞が有ったのか気になる所である。


2018.12.04:shishi7:[コンテンツ]

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