大工さんが長年保管し、枯らした3cm厚のケヤキの板の裏には変形防止の補強材を嵌め込んでいる。
獅子舞保存会の獅子頭が腕を振るって書いた文字を彫り込み、金箔を張って仕上げるという依頼である。
柔らかい柳とは違い、硬いケヤキの彫刻は余り経験がないがナントカなるだろうと進めたが、
ナカナカの手強さで彫り難い。良い勉強になった。

依然紹介したが、古い鳥居の塚の部分に明治22年の記名が残っていた。
記名には施行した大工や神社役職たちの名前、総工費までが残されていた。
古い扁額の裏に更に明治22年より古い扁額の文字が彫り込まれてあった。
不思議なことに楕円や四角にえぐりとられた跡がある。


この大きさや位置だと落款だろうか? 左側に作者名らしき崩し文字があるが、うまく解読できない。
しかし五所大明神の文字、彫り共に見事である。
明治22年(1880)から鳥居の寿命約100年を考え遡ると安永9年(1780)238年前になるが
その頃の制作とすると状態が良過ぎる感が否めない。
今晩は、この扁額を肴にして晩酌と決めている・・・。
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