HOME > 記事一覧

獅子頭盗難の事

  • 獅子頭盗難の事
一昨日赤外線カメラで記名発見を試みた出所不明の黒獅子について気になり「獅子頭の盗難」で検索してみると・・いの一番に懐かしい文章が出てきました



     平成2年大石洞雲寺獅子頭盗難事件の事
                                                                            獅子宿 渋谷正斗
 
 大石の洞雲寺の獅子頭が盗まれたのは平成2年の5月であった。当時その盗難に気づいたのは同所に住む市会議員の鈴木武次氏であった。鈴木氏が虫の知らせでもあったのか、寺の獅子舞のための笛を借りに訪れた際に発見したという話である。獅子頭の他、掛け軸も数点無くなっていたと言う。現場の窓の外には山に向かう足跡らしき物があったとのことである。寺の獅子頭は獅子幕と一緒に木箱に収められ保管されていたが獅子頭だけが盗まれていた。
 この獅子頭はそもそも中伊佐沢の稲荷神社より譲り受け獅子舞を行っていたらしい。破損し取れた獅子頭の舌の裏に獅子彫師が書いたのだろうという「中伊佐沢稲荷神社」の墨文字が残っていたらしい。その寺を管理している上伊佐沢の玉林寺の住職である鈴木考顕(こうけん)氏から平成2年6月23日警察に被害届をだしている。獅子彫をしている手前自分にも警察より連絡があり獅子頭の金額を尋ねられた記憶がある。また平成6年開催「おらえの おしっさま展(獅子頭展)」で取材し唯一の写真コピーを展示している。
 その後獅子頭が出たとか泥棒がつかまったとかの噂を小耳にしたが格別気にとめずにいた。

 平成14年夏7月16日獅子宿に別の獅子頭の件で訪れた鈴木武次氏から盗難にあった獅子の話を聞き改めて愕然とする。すぐ長井警察署署長に調査確認を依頼し、調査をしていただき連絡をいただいた。
 佐藤署長の調査によると、平成8年6月23日に新潟県与板署で美術品専門の大泥棒が捕まった。洞雲寺の被害届をもとに長井署に連絡が入り、そして管理者の玉林寺の住職に確認依頼の連絡が入ったらしい。しかし、残念ながら住職は所用のため盗難品の確認依頼ができなかったという。盗難品は保管されるが被害者が現れないと被害者不明の物として公示される。それでも現れないと国の所有物となり入札され転売される。またそれらの記録文書等も約5年後に処分され、まさにお宮入りとなってしまうのである。よわい70の大泥棒は盗品については一切なにも喋らず余計盗品の本籍は解らずじまいであったらしい。おそらく大石の盗難獅子は骨董屋にでも買い取れられ、どこかの家の床の間に呑気に鎮座しておられるのであろうか。
 
 現在大石の住民は2つの世帯と山形工科アカデミー短期大学のみとなってしまった。かつて宿場で栄えた大石の集落。巨石でも有名だった洞雲寺は今や訪れる人もなく、ひっそり静かな自然にいだかれ、やがて消えて行くだろう繁栄の証の僅かな面影を懐かしんでいるようである・・・。
                                               平成14年7月17日獅子宿にて 


赤外線カメラで検査した獅子頭についての記事も出てきました





新潟方面から里帰りした謎のおしっさま

(山形県長井市飯豊町、中の稲荷神社の古いおしっさまに似ているようでもある・・・)

(顔は上に立っていて長さは短い) (うっすらと「青木と鈴木」と何人かの名が・・・)
 
 この獅子頭の形は山形県長井市かその周辺の神社や寺院に伝えられていたものと思われ、何かの諸事情により売買されたと思われます。

 古びた茶褐色の漆(長い年月を経た漆は、黒から茶褐色に色が変化していきます)獅子の前歯の修繕跡や黒獅子を実際に舞う時に獅子の安定を計るため、あごの下に握り縄があることから実際に黒獅子祭りで使用されていたものと考えられます。作風から推測して「小関久蔵」氏の作品とも似ています。
 この獅子頭が業者の手によって獅子宿燻亭に持ちこまれた時、山形県長井市伊佐沢大石の洞雲寺で平成2年に盗難にあった獅子頭を思いだし「もしかして・・・」と思い購入しました。しかし関係者の方々に鑑定していただくと、どうやら大石の黒獅子とは違うようでした。




 写真にもあるように黒獅子の裏側にうっすらと何かが書かれた跡があり、注意深く後から塗られた漆をはがしてみるとかすかに「青木と鈴木」と何人かの名前の跡があらわれました。おそらく当時この黒獅子を奉納した人々の名前であっと思われます。残念ながら業者が売買の時に名前をはがし取ったのでしょう、地区名を限定することもできませんでした。

 以前、山形県飯豊町の「中の稲荷神社」で見た古い作風に似ているようでもあります。下あごの握り縄をつける地域も限られているので、おおよその地区は絞られるかも知れません。
 
                               以上
獅子頭の盗難の話は他にも多々有り注意を喚起したいものです。
2014.06.20:shishi3:コメント(0):[獅子宿works]

科学のメス

塗り重ねられた獅子頭の記名を探る為にチト工夫を考えた訳です

赤外線カメラで透かしてみました




パチリパチリと高価なカメラで撮影を試みて戴きました

今回ご協力戴いたのは東北芸術工科大学の先生方

そして優秀な甥っ子ちゃん

長井市成田の若宮八幡神社の最古の獅子頭・・以前もご紹介した

平吹市之丞作の獅子頭・・・と云われておりますが私的には長谷部吉之助作と見ています




さて・・結果は後日

データのご報告を待ちます


成田の獅子頭の他に、コレクションにも数点撮影して貰いましたが新発見は無いようでした

黙して獅子は語らず・・・です





2014.06.18:shishi3:コメント(0):[獅子宿works]

長井ブルース発掘

  • 長井ブルース発掘
ついに念願だったレコードを発掘しました




発掘とは大袈裟ですが・・伝説の「長井ブルース」唄 大津美子

私が幼少の頃・・半世紀前の盛況のあやめ公園で流れていた曲




子供の頃ですからブルースの深い所は未消化でしたが、そのメロディーは脳裏に焼き付いてお

りました

それを確認したいという願望がずっとうずいておりました



もう片面が長井盆唄 三橋美智也氏が歌っております・・・・

同時期長井踊りパレードで流れていた曲

この曲で踊った記憶が蘇ります




♪花の長井にぃ~来て見りゃしゃぁんせぇぇぇぇ

「しゃんせぇぇぇぇ~」という所が造語で新鮮ですね

♪誰に見しょとてょょょょ~ 咲いたあやめもよ 水鏡~♪

歌詞に風情が溢れます

さて本題の長井ブルース

♪君が恋しと 朝日の峰に

呼んでみたとて つれない谺(こだま)

私ゃ 長井の あやめの花よ

咲いた色香は  ああ 誰のため♪

高度成長期真っただ中の濃厚な昭和の香りがスピーカーから漂ってきます

古き良き時代の痕跡を発掘しました


おまけに昭和を代表する女優 吉永小百合さんが長井でロケした時の写真を見せて戴きました

実は私もその映画のエキストラで出演しておりました・・・幼稚園の頃

この写真の右上の子供の一人




駅前に集まった群衆の多さは眼に焼き付いています

自衛隊を動員して作った雪のタワーで戯れる童の役でしたね

こちら映画のポスター   1965年3月封切り 浜田光夫共演 吉永小百合さん二十歳



この映画の映像は残念ながら、もう残っていないようです
背景の雪の積もった木は土手の桜でしょうか?


長井ブルース・・・・一度ご試聴してみませんか?



長井盆唄も涙ちょちょ切れますよ
2014.06.17:shishi3:コメント(0):[獅子宿works]