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ちやっちゃと2

  • ちやっちゃと2
本日も快晴  ただ巨大台風が来週襲来  不安心配を・・・そこに置いておいて


朝一番は蕎麦打ち 北海道産の新蕎麦が出てきたので、打つのも楽しい

うっすらと緑掛かった美しい蕎麦粉・・香りも良い

一年中新蕎麦ともいかないのでコレからのシーズンが蕎麦の食べ頃

11月には山形県産の出羽香の蕎麦粉が入荷する

餅米も新米なので、獅子宿燻亭の売りの「餅そば膳」も食べ頃のシーズンなのだが

正直・・寒くなるにつれ、お客さんの出足は鈍るのだ


このブログは獅子頭の話題ばかりで蕎麦や餅の話題は稀

避けている訳ではないのだが、ちょっと気恥ずかしいようで山形県民の気質だから

しょうがない



本日も引き続き成田の獅子頭の制作の予定


昨日、前に制作した二頭を一緒に並べてみた


木地の大きさや形に余裕が無いと、形が偏ってしまう時がある

木地の色も同じ柳なのだが違う事が分かる




さて、

一気に荒彫りしたのは良いのだが、危惧していた彫り過ぎに頭を悩ます

この平吹一之丞作の獅子頭は総宮神社の獅子頭のデザインを基に

成田八幡神社と五十川蘊安神社の為に創作したのではないかと思う




以前紹介した小出の白山神社の獅子頭や歌丸地区の獅子頭とも共通した彫りがあるのだが

見れば見るほど卓越した彫刻の技量と造形力に驚く

たまにシンメトリーで無い部分もあったりしてホッとするのだが・・




この成田の獅子の目鼻立ちとめくれた唇の曲線、歯の反り等のバランスには

四苦八苦する・・・ちょっとした油断で彫り過ぎ

それを恐れて鑿が進まないのだ

目や眉の高さで3時間程悶々とする



薄暗くなってやっとスッキリするのだが  これこそ産みの苦しみなのだろう





苦しい時は篠笛を取り出して思いつくまま笛を吹くのだ♪

ちょっとホルストのジュピターもどきを吹いてみた
2014.10.11:shishi3:コメント(0):[獅子宿works]

ちゃっちゃと・・

  • ちゃっちゃと・・
いつもは静かな上伊佐沢地区に工事音が三カ所から聞こえています



まずここ・・・獅子彫るチェーンソーとノミ振るうトンテンカンテン♪ という音

玉林寺の屋根改修の工事の音

そして近くの民家の解体する重機のイナナキが澄み渡った空に響きます





昨日の木取りの続き

形を整えます・・・白い切り屑が雪の様

彫り過ぎの失敗は許されません



危険な刃物がもの凄い早さで身体の直ぐそばで駆動していると思うと

恐ろしさが過ります



チェーンソーは油断大敵体制が身に付いているので、そうでもありませんが

グラインダーという丸い刃物を回転させて削る機械は怖い

指先10㎝先スレスレでチェーンソーの刃が回転しているのです


手袋をしていないと切り屑が当って痛い程




作業の合間に秋めいた景色を眺めて疲れを癒します




木取りからいつの間にか荒彫りに入ります  生木はサクサクと彫れて快適

程よい手応え



あれよあれよと中部も彫り進める




漸く よーっこらしょと持ち上げやすくなる




・・・では顎 まだ時間ある



・・・ついでに耳も





耳は乾燥済みの桐材で制作


4時過ぎるとオーバーワークの赤ランプが点灯し始めてきました

身体が重くなり・・特に足が上がらない  


快い疲労と充実感 怪我する事無く今日も制作終了



側の小川の水音が・・栃の落ち葉のカラカラが・・すっかり静かになった作業場に

ちゃっちゃと帰れよ~♪と囁きます







2014.10.09:shishi3:コメント(0):[獅子宿works]

丸太切り

  • 丸太切り
天高く秋晴れ・・そのかわり朝は冷え冷え

快晴の空の下  先日入荷した柳を木取りしました

真っ直ぐ切り下ろせるようチェーンソーの刃を研いだのですが、微妙に曲がるのは性格の影響

でしょうか



獅子頭の側面を移した型紙を合板に張り準備万端・・柳の良材を前に襟を正します


成田の獅子頭特有の額の曲線や輪郭を一発で決めたいのです


伐ってみるとヤハリ良材・・・真っ白  鉄砲が1つあるのは愛嬌



鉄砲とはカミキリムシの通過した痕  弾が貫通したような穴





大抵は芯から赤みの部分があるのですが、珍しくほとんど白太




皮を剥くと栗の渋皮みたいな薄皮があり、うっすら緑が掛かって透き通っています




水水しくてレアチーズケーキの様

あまりに美味しそうなので舐めてみると・・・気のせいかもしれませんが、ほんのり甘みを感じます


鉄砲虫もさぞかし美味しかったろうと思います


さてチェーンソー  危惧された曲がり癖が直りません

再度研ぎますが、研ぎムラがあるのでしょう・・・曲がってしまいます

だましだましながら頭と顎を木取り完了・・・実に贅沢な材料です







今まで見た材料の地元産の最上級ですね

平地に育成したのでしょう、芯も真ん中に有りスクスク日を浴びて育ったのかと思います

斜面で育つと根元が曲がり、虎杢という虎の縞の様な木目が出て板にすれば奇麗ですが

後から変形歪みの元凶となるようです

昔から獅子頭彫刻に適した材は根元の揉めた部分と云われていますが、そうでもない様です

木取りしたら水に漬けて木の精を抜くんだ・・と聞きます

実際にはスポンジの様にスカスカになり強度は激減するのでないかと考えます

結局自然乾燥が最適



話が長くなりましたが・・・

風雨や雪害で枝折れや亀裂から腐朽菌が入ったり、傷を樹皮で包んだ部分も無いようで

彫り進めるのが楽しみになる材です

三頭目の正直かな?



だいぶ日が傾いてきました・・・木取りは体力を消耗させます



貴重な柳の良材との出会いに感謝しながら、本日の作業完了

そういえば今宵は月食の天体ショーでしたね  
2014.10.08:shishi3:コメント(0):[獅子宿works]