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獅子と雨

  • 獅子と雨

長井の獅子舞には地元では有名な伝説があります

昔々・・総宮神社のお祭りに招かれた龍神がお神酒を沢山戴き野川の上流の三淵に帰る途中

何時もは川をさかのぼって帰るはずが、酔った勢いで日照りで干上がり河原の薮で左目の視

力を失う怪我をしたのです  その為進むときは、視力の無い左目をかばい右目を前にして

進むのだという・・

以来、龍神は怪我を恐れ祭りの日には必ず雨を降らせ、野川に水を湛えるのだそうです


3月16日曜日、獅子舞慰問に震災から三年の石巻に行って参りました

白鷹 赤獅子の舞い「文化継承団体 獅伝」と一緒に長井黒獅子研究会の黒獅子との初コラ

ボ 

片道3時間・・・・

三陸道の最後の江南ICで下り、石巻市北上川沿いの道を走ります

土手のかさ上げ公共工事は大部工事が完成したようで整然としています

三年前の震災では、津波が川をさかのぼり溢れ、土手の内側の田畑や人家もかなりの被害だ

ったようです

 

180戸世帯のにっこりパーク仮設団地に到着しました 日曜日のせいかひっそりしています

準備を進めていると、青空も見えていた空がかき曇り、懸案の雨が落ちてきました

次第に激しくなり・・・こりぁまた伝説通りだな~と皆、苦笑い

獅子舞は慣れていとはいえ3月半ばの雨は冷たい

しかし予定の時間に決行

先に黒獅子が仮設住居に進みます 
仮設団地の中央に集会所があり、その広場にて

セレモニーを始めます

笛太鼓の音に誘われ住民の方々が集まってくれました

年配の方々・・とくに大勢のおばあちゃんが連なっています

山形新聞には三才位の男の子が黒獅子に教われているかの様な写真が掲載されました

やはり地元の子供と同じ反応です・・優しいパコンでいい雰囲気の笑いが聞こえます

 

獅伝の若々しい勇壮な舞を披露の間 
 

黒獅子班は協賛戴いた玉こんと何故かポンカンを配りました 

白鷹と長井のお神酒も忘れずに・・

 

石巻も獅子舞いが盛んです 

小ぶりの二人立ちの獅子舞です

今日はこちらの仮設団地に住んでいらっしゃる白浜地区の鹿島神社の新しい獅子頭の引き渡

しが行われました  なんとルーテル教会の助成を受け制作の依頼があり、急遽昨年12月か

ら準備を始め制作しました  失った獅子頭の資料はほとんど無かったので、近辺の獅子頭

を参考にしたので気に入って戴けるか心配でしたが、喜んで戴いたようです

捨てる神あれば拾う神あり

思いもよらぬ西洋の神様からのプレゼントで、是非お祭りを復活して戴きたいですね

白浜の方々や神主さんも来てくれたようで今後獅子舞の復活が楽しみです

えくぼ獅子舞クラブからは太鼓の寄付
流石~太っ腹ですね


 

 

本日の情報を聞き、埼玉の獅子博物館の館長が東松島の大曲浜獅子舞い保存会の方と

取材にいらっしゃいました 



この館長さん、獅子舞と聞くと全国何処にでもすっ飛んで行っ

ちゃいます

先週はスペインに飛び、日本の獅子舞の写真展を開催してきたばかり

埼玉県久喜市にある獅子博物館は昨年リニュアルしたそうで、ウチで制作させてもらった

獅子頭も数点展示あります 数千点にのぼる獅子頭のコレクションは一見の価値充分です

是非機会ありましたらご覧下さい

 






さて赤獅子と黒獅子の歯打ちは、期待した程タイミングが合わず残念でしたが




いよいよ最後の見せ場 集会所に獅子を入れる警護掛り

住民の方々から拍手喝采が上がり、一層気合いが入りました

獅伝の獅子は一見クールに舞っていますが、最後は幕を引っ張り只ならぬ一発触発の雰囲気

の迫力に大歓声!でした

最後に、にっこりパーク仮設団地の方々の益々の復興と健康を祈願と、これからも獅伝と獅

子研の獅子舞交流継続を祈願し終了致しました 

いや~弥生3月の雨の中の獅子舞いご苦労様でした

様々ご協賛戴いた北原産業様にも厚く御礼申し上げます

 

帰り、白浜の皆様から収穫したての新鮮な芽ワカメとスズキをお土産に戴きました

思い出に残る獅子舞交流慰問でした

 

 

獅子舞が仮設団地を巡ると雨が上がり、雲も消え快晴に・・

帰りのバスから春の暖かい日が差し込み、汗ばむ程

北上川は静かに悠々と流れ、河原には葦の群生が何事も無かった様に、風にそよいでいまし

 

 



この暗闇でうごめく怪しい集団
戴いた芽ワカメを山分け中のおなご衆 おとこ衆はバスを洗車です  これも又楽し

 

2014.03.18:shishi3:コメント(0):[獅子宿works]

時期尚早

  • 時期尚早
堪え性の無い質(たち)なもんで・・・

まだまだ塗りの前に手入れしなくてはならないのに 時期尚早

色見のつもりがカシュー塗料の本塗りに進んでしまいました

西大塚の古い獅子がモデルです

この獅子頭のもともとの色を再現したいのですが


最近の獅子頭は鮮やかな赤系の本朱は赤の塗料に黒を混ぜて彩度を調整して塗ります

同じ赤でも小豆(あずき)という色は少し青みと白みがかって、比べてみると本朱は

黄色みを感じます

今回は赤に朱と黒を入れ調整しました 朱はオレンジなので黄色みが強く、黒を入れすぎると

茶色になります

長谷部吉四郎作と思われる獅子頭は結構この色を用いた獅子頭が多く見られるようで

好んでこの色を使ったと思われる可能性があります

パソコンでタテガミ植毛や目に金箔を入れたり、宝珠を取り付けてみたりと・・・

イメージは広がります



ところで、白鷹の獅子頭には長井の獅子の様な牙やヒゲが無いものが多く不思議です

鼻ヒゲや頬にも毛植えは無く、表情が見えやすい所は全国の獅子頭を見ても

こちらが一般的

長井の獅子の毛深さの方が珍しいのでしょうね


下顎の内側を除く部分が乾燥したので持ち帰り、眺めております
長谷部獅子は形良いですね~
顎の緩やかなカーブが良い景色です
2014.03.13:shishi3:コメント(0):[獅子宿works]

口の開きを調節

  • 口の開きを調節
獅子頭の口の開き角度の調節の依頼です

神社に獅子をおさめようとする角力と入りたくないと抵抗する、獅子との相撲を行う際

の獅子頭の口の開き角度が問題になりました


そこで、口を開けた時の頭と顎が当たる顎の接点を削って開きを大きくしました

90度から130度ぐらいに開いたでしょうか?


獅子連の伝統を守る真摯な改良依頼でした
2014.03.13:shishi3:コメント(0):[獅子宿works]