獅子宿燻亭3
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緊急修理です…
稽古中、獅子の歯打ち音に異常を感じました。
良く見ると重篤な破損…!
実はこの獅子、引退した獅子でしたが、
修理中の稽古獅子の変わりに急遽引っ張り出されたもの。
獅子宿に持ち帰り緊急修理。
次の稽古の使用の為時間が有りません。
制作は明治時代と思われ、作者は 梅津弥兵衛昌利
行年 三十四才とあります。
獅子頭を数多く手掛けた長井市大町の指物師。
大変素晴らしい獅子頭ですが、木地は栃と思われズッシリ重く感じます。
更に栃の特性である年月を経ると木地内の樹脂分が硬化し割れやすくなります。
栃を好んで使用した弥兵衛の数多くの獅子はいずれも破損が著しいようです。
この獅子の割れた前歯を開いと見て代々何度も行われた修理の跡が姿を表しました。
歯の中に縄を埋め込み強化しているのが見えます。
これは最初に補強の為に埋め込んだ物でしょう。
また・・蟻継ぎの木片を埋め込み割れを補強修理・・
丸棒を埋め込んでいる修理・・
釘をコの字型に曲げて打ち込みしている修理は比較的最近の修理・・
樹脂パテの跡もあります。
この他かなりの修理がなされていますが激しい歯打ちに効果は
少なかったと思われます。
急いで歯に板を埋め・・割れ止めを施しました。
夜の稽古では気兼ねしながらの歯打ち・・難しい技です。
2011.04.28:
獅子宿店主
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