しだれお

▼そう言えば、干し柿。。。

> 子供の頃は、干し柿の色が黒っぽいのと、姿がちょっとミイラチックだし、フレッシュで冴えた味わいでもないので、食べなかった
>・・・というよりも、キライだった。・・・(中略)・・・干し柿の事もなかなか面白いので、後日もう少し書き足してみようと思う。

さて、私たちは、ふたりの方から干し柿の再認識のキッカケをもらった。

ひとり目は、20年程前に私の家にホームステイしたフランスの青年だ。彼は、パリ大学に在学しつつ早稲田大学に何年か来ていたが、縁あって、私の家に数日間ショートステイする事となった。

あ、何故にホームステイなんてメンドクサイ事を受け入れたかというと・・・、子供には、日本人ではない人とも出来るだけ臆することなく接する事が出来る様になって欲しいなと願っていたのだが、それには留学させてしまうのが一番。でも・・・正直「ナイソデハフレナイ」だ。それに、未だ小学生だったし〜。
だったら、いっそ来てもらえりゃ良い。年に1〜2回のショートステイ受け入れというレベルなら、経済的負担もたいした事ないし、家族の負担も限度内だし、珍しいお客様ってのも楽しいし・・・っという感じで、思い切って、且つ気軽に始めた。

そんなこんなで、秋にステイした彼に、季節の果物である「柿」を出してはみたが、さてさて、柿という果物を説明するのに詰った。

そしたら、フランスでも柿は<Kaki>だという。

柿という食べ物としてのフルーツは、日本から木を移植して広まったので、そのまま<Kaki>と言ってるよ、と話してくれた。

フランス語の<柿=Persimmon>は、おそらくは、原種に近い様な、日本古来の塗料である「柿渋」を採る様な、硬くて小粒で渋すぎて食べれない様な、あんな柿を指すんだろうか???

ともあれ、味覚を表す言葉の数が世界一多いと言われるフランスでも、食べ物としての柿は日本語発音の<Kaki>でも通るらしい。

ふたり目は、山形の工業系某企業の社長さんの奥さま。

なんでも、頂き物の中に「干し柿」があったらしく、さてどうしようかぁ〜となったらしい。そこで「焼き菓子のフルーツケーキにはドライフルーツが入ってる」の応用バージョンを思いついたらしく、時々「干し柿を入れたパウンドケーキ」を焼くんだよとの事で、何かの折にそのケーキを頂戴した。

秋になると、毎年毎年「今年も干し柿づくりが始りましたぁ。」という報道が流れるし、ごくごく日常的な風景としての「柿簾」を見たりしてるし、さらには、幼い頃のイメージなど先入観があったせいなのか(?)、先ずは「え〜ッ、干し柿ぃ〜?!」っという感じで受け取ったが、心がこもったせっかくの手作りケーキを食べてみると、素直に「あっ、美味しい!」であった。

考えてみると、先入観ってただの幻想なんで、それが改まるなんて、こんな些細なキッカケでOKなのかも知れない。いやいや、前頭葉が支配する表層的な言葉や理屈での理解ではなく、味覚という深層部分も加わっての納得だからなのだろうか?

ともかくも、それ以降、カミさんの手作り焼き菓子系レパートリーに「干し柿入り」が加わった。

・・・後日に(ちょっとだけ)続く。。。
2009.12.09:shidareo

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