やまがたでの日々の暮らし・自然・風景
歳を重ねる醍醐味???。
うまく伝えられるか自信がないのですが・・・・、
この世って、ファンタジーだったのもが現実になったり、
現実がファンタジーになったり・・・・するんですねぇ。。。
昨晩、ちょっとした事でそれを実感して、
ま、当たり前のことと言えばその通りなのですが、
なんだか、この世も不思議だなと。。。
実は、夕飯の際に軽く日本酒を飲んでちょっとばかしイイ気分になって、
なにげに本棚を覗いたら、松谷みよ子「おおかみの眉毛」という題名の
文庫本に目が行った。
昭和53年9月15日第1刷発行とある。
昭和53年の頃・・・・つまり、自分が20代前半〜半ばの頃は、
海外の激しいハードロック
や
ファンキーなノリのJAZZ
にもちょっと疲れ、食傷気味。。。
友人が何気なく持ってきた
ジョニ・ミッチェルの 「ミンガス」というアルバム
を聞き、
その衝撃で・・・・私の貧しい音楽脳はフリーズ。
並行して、日本・・・特に東北の伝承民話などを読み始めた頃だった。
でも、この本は・・・読んだ記憶がないし、買った記憶もない。
もしかすると、カミさんのかも知れない。
ま、そんな事はどうでも良いやと、さっともくじに目を通して、
先ずは「寝ウサギ狩り」というお話を軽く読み進めると・・・・・・・・・
「それから犬の事よ。おまえら知るまいがクロのやつ、ありゃまだ子犬だが見込みのある犬だぞ。甲斐犬のいい血筋ひいとるで、なかなか勘がええ。このあいだなんぞ山鳥のにおいかぎつけたときなんぞ、ぱっと伏せて地面に鼻つけるようにして、じりじり進んでいく、あの格好なんそ、なかなかのもんだった。あんときゃ天気の悪い荒れ模様の日だったけが、こっちもちゃあんと、そんな日にゃ山鳥はここへきとるにちがいないとにらんでいくのよ。それが猟師だわさ。あの日もおらの目に狂いはなくて、山鳥のやつめ、小石沢のヤマツバキのしたをチョッチョッと歩いとったが、クロのかぎつけようもたいしたものだったよ。
それをおまえらはカンタンに、うさぎとってこんと文句をいう。犬はな、うさぎ追うようになったらおしまいだ。ばか犬になってしまう。それがわからんかい。山鳥のかわりに、うさぎを追いはじめたらえらいことだわ。なんぼでも追いかける・・・・・・・・・・・・・・。」(以上、原文まま抜粋)
次に「さぶろべいとコブ熊」・・・・、
「それから何日かたった夜明け、さぶろべいは家を出た。かもしかの毛皮の背なあてを背負い、雪に埋まらぬように輪かんじきをはいた足を踏みしめて、さぶろべいは、ふりかえりもせず村をはなれると、まっすぐにクロネズへ向かった。
明けがたの山はきりきりと痛いほど凍てついていた。吐く息は白く凍り、吸う息もまた凍って、鼻の穴がはりつくようである。目をしばたたくと、まつげも白く凍って重たい。「ヒラは歩かんで尾根をつたうだな。」・・・中略・・・目はひたと、クロネズのブナの洞を見つめつづける。うそではないのだ。おれにははっきり見えるんや。ほれ、見てみんかい!吹きだしがあるやろが、熊のやつめ、冬ごもりしとっても、息だけはとめるわけにはいかんもんな。ぐっぐ、ぐっぐと息しおる・・・・・・・・・・」(以上、原文まま抜粋)
ん????・・・・57歳になった今の自分にとっては、ファンタジーの世界じゃなく、
かなりリアリティーを伴った現実世界になってしまっているのに気付いた。
でも・・・・・・・・・・・20代の頃の私にとっては、
絶対に絶対に、そして遠い遠い、「ファンタジーの世界」だったハズなのに。。。
なんだか少しお酒も手伝ってか???ちょっと不思議な気分にさせられた。
こういう事って、もしかすると、歳を重ねる醍醐味なのかも知れないナ。
2012.03.28:
shidareo
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この世って、ファンタジーだったのもが現実になったり、
現実がファンタジーになったり・・・・するんですねぇ。。。
昨晩、ちょっとした事でそれを実感して、
ま、当たり前のことと言えばその通りなのですが、
なんだか、この世も不思議だなと。。。
実は、夕飯の際に軽く日本酒を飲んでちょっとばかしイイ気分になって、
なにげに本棚を覗いたら、松谷みよ子「おおかみの眉毛」という題名の
文庫本に目が行った。
昭和53年9月15日第1刷発行とある。
昭和53年の頃・・・・つまり、自分が20代前半〜半ばの頃は、
海外の激しいハードロックやファンキーなノリのJAZZにもちょっと疲れ、食傷気味。。。
友人が何気なく持ってきたジョニ・ミッチェルの 「ミンガス」というアルバムを聞き、
その衝撃で・・・・私の貧しい音楽脳はフリーズ。
並行して、日本・・・特に東北の伝承民話などを読み始めた頃だった。
でも、この本は・・・読んだ記憶がないし、買った記憶もない。
もしかすると、カミさんのかも知れない。
ま、そんな事はどうでも良いやと、さっともくじに目を通して、
先ずは「寝ウサギ狩り」というお話を軽く読み進めると・・・・・・・・・
「それから犬の事よ。おまえら知るまいがクロのやつ、ありゃまだ子犬だが見込みのある犬だぞ。甲斐犬のいい血筋ひいとるで、なかなか勘がええ。このあいだなんぞ山鳥のにおいかぎつけたときなんぞ、ぱっと伏せて地面に鼻つけるようにして、じりじり進んでいく、あの格好なんそ、なかなかのもんだった。あんときゃ天気の悪い荒れ模様の日だったけが、こっちもちゃあんと、そんな日にゃ山鳥はここへきとるにちがいないとにらんでいくのよ。それが猟師だわさ。あの日もおらの目に狂いはなくて、山鳥のやつめ、小石沢のヤマツバキのしたをチョッチョッと歩いとったが、クロのかぎつけようもたいしたものだったよ。
それをおまえらはカンタンに、うさぎとってこんと文句をいう。犬はな、うさぎ追うようになったらおしまいだ。ばか犬になってしまう。それがわからんかい。山鳥のかわりに、うさぎを追いはじめたらえらいことだわ。なんぼでも追いかける・・・・・・・・・・・・・・。」(以上、原文まま抜粋)
次に「さぶろべいとコブ熊」・・・・、
「それから何日かたった夜明け、さぶろべいは家を出た。かもしかの毛皮の背なあてを背負い、雪に埋まらぬように輪かんじきをはいた足を踏みしめて、さぶろべいは、ふりかえりもせず村をはなれると、まっすぐにクロネズへ向かった。
明けがたの山はきりきりと痛いほど凍てついていた。吐く息は白く凍り、吸う息もまた凍って、鼻の穴がはりつくようである。目をしばたたくと、まつげも白く凍って重たい。「ヒラは歩かんで尾根をつたうだな。」・・・中略・・・目はひたと、クロネズのブナの洞を見つめつづける。うそではないのだ。おれにははっきり見えるんや。ほれ、見てみんかい!吹きだしがあるやろが、熊のやつめ、冬ごもりしとっても、息だけはとめるわけにはいかんもんな。ぐっぐ、ぐっぐと息しおる・・・・・・・・・・」(以上、原文まま抜粋)
ん????・・・・57歳になった今の自分にとっては、ファンタジーの世界じゃなく、
かなりリアリティーを伴った現実世界になってしまっているのに気付いた。
でも・・・・・・・・・・・20代の頃の私にとっては、
絶対に絶対に、そして遠い遠い、「ファンタジーの世界」だったハズなのに。。。
なんだか少しお酒も手伝ってか???ちょっと不思議な気分にさせられた。
こういう事って、もしかすると、歳を重ねる醍醐味なのかも知れないナ。