日記
天気予報では晴れとなっていたので、もう少し暖かい色合いが見れるのではないかと期待していたが、日の出2分前という事で、冬の荒涼とした蔵王雁戸となった。(日の出時刻06:55)
冬至が過ぎて、少しづつ日没時刻が遅くなり、Daytimeは若干長くはなっているが、日の出時刻については、山形県の場合、2010/01/04/〜01/08の5日間にかけて06:56と一番遅くなる。 とは言え、西日本などと比べればずっと早く夜明けが来るので、ちょっと得をしてるかも知れないなどと、勝手でいい加減な錯覚を楽しんだりも。。。 それにしても、山形市の東にある蔵王雁戸の切り立った稜線は、いかにもアルペン系の山らしいシルエットを見せる。雪も、強い風に飛ばされてなかなか積もれない。 クラシック好きのある人が「稜線の流れがベートーベンの旋律みたいだ。」と話していたのを思い出した。また、稜線の幅もとても狭く、両脇は急な崖で滑落が心配だが、そういう地形を「ナイフエッジ」とも言うそうで、高度感もなかなかだ。さらには、天候と運が良ければ、頂上に立ってクルっと首を振っただけで、太平洋と日本海が一望できる稀なビューポイントでもある。 いずれにしても、山形の山々は比較的穏かな稜線が多い中にあって、ひときわ目を引く存在だ。 |
庭の雪も融け、その水分を得たスギゴケの穏かな緑が嬉しい。(日の出時刻06:55の18分後)
近年の住宅の庭と言えば、芝生や西洋風ガーデニングが多く、子供を遊ばせたり、家族や仲間とバーべQを楽しんだり、ハーブを植えたり・・・と、とても明るく合理的に思える。 私のところは、父の意向で、蔵王石を配置した枯れ山水系のコケ庭である。それも、難易度が高いと言われる「スギゴケ」がメイン。やれ「コケを踏むな!」とか、「別の変なコケが蔓延って来た!」とか・・・いろいろ大変でもある。 ま、でも、日本酒の美味しさが分り始めた頃からか、この厄介なハズのコケ庭が本当に綺麗だと思う様になって来た。 いつの日か、このコケ庭に面した縁側にゆったりと座って、穏かで作為性のない美しい酒を、飲んでみたいものだ。 |
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そんな中、トアル土地を囲む金網フェンスが、透過性の高いオレンジ色のナトリューム灯に煌煌と照らし出されていて明るい。それに、灰色なハズの空までが妙に青々と見えてしまい、金網にかろうじて付着している雪までもなんだか寒々しく感じる。
「自然」と「人工物」という様によく対比されるが、こんな風景を見れば、なおさら対峙させてしまいたくなるというものだ。
英語の「自然:ネイチャー」の語源は、フランス語の「ナチュール」につながってると聞いた。そしてさらに、フランス語の「ナチュール」は人工物なども含まれるという。何故なら、そもそも人間自体が自然(の一部)であり、ひいてはその人間が創り出すすべて(機械や都市、政治までも)が含まれるという、考え方というか・感覚というか・・・、があるらしい。
そうすると、トンカチやネジ回しも、レストランも、電気自動車も、通販サイトや小説までもが、ある意味で「自然」という事になる。
ま、直感的に一理あるなっと思えるが、今の私にはちょっと難しいんで、とりあえず頭の片隅に置いて、熟すのを待つとしよう。
ともかくも、いくら安全のためとは言え、こんなに冷たく寒々しく映る金網フェンスの景観は、あまり人の心を和ませるものではないと思える。