精のノート
▼マダリソの思い出 走れミニバス
ザンビアの庶民の足はミニバスである。
水色と白に塗られたボディを持つ、ワゴン車やマイクロバスがそれだ。
ほとんどが日本で廃車になったような古い車でよく「○○幼稚園」とか「××旅館」などと書かれてある車を見かける。
首都ルサカ市内には非常に多くのミニバスが走っている。一応いろんな路線があり、街の中心部であるタウンと各地区を結んでいる。地区同士を結ぶ路線が無いため、どこへ行くにも必ずタウンにある大きなバスターミナルへ一度行き、そこでバスを乗り換えなければならないため多少の不便は感じるものの貴重な移動手段である。
料金は例えばタウンから僕が住んでいたオリンピアまでは2500クワチャ、その先のローマ地区までは3000クワチャというように決められてはいるが、タウンから配属先のマテロを結ぶマテロラインはどこまで乗っても1000クワチャと格安だった。また、タウンから各地区は料金が決められていることが多いが、地区からタウンに行く時にはコンダクターとの交渉によってはかなり安くなるし、時間帯によってもかなり料金は変わってくる。つまりいい加減なのだ。
だから乗る時には必ずコンダクターに料金を聞く。高い時には乗らないし、乗らないと言うと安くしてくれることがある。時刻表がないから次々とバスがやってくるが路線によっては出発までに1時間も待たされることもある。さらにあるドライバーと仲良くなったらその次には料金を取られなかったこともある。
一応(ザンビアでは本当に一応ということが多い)停留所があるがバスが走りながらコンダクターがバスから身を乗り出し、乗客を呼び込んでいる。だからたいがいどこでもバスに乗れる。
しかし、このミニバスがザンビアへ着いた頃は苦痛だった。それは狭い社内にぎゅうぎゅう詰めで座らせられるからだ。普通のワゴン車だから日本では横に3人掛けが当たり前だがむこうでは4人も座らせられるため、かなり窮屈な思いをする。特に暑い日にはジトーっと汗が・・・・・。
古い車だから途中で止まってしまうこともあるし乱暴な運転だから事故も多い。よくあんなバスに乗ってて死ななかったなと思うくらいだ。
(日本大使館ではミニバスに乗らないように注意を呼びかけてたっけ???)
ある時なんか途中で車内から煙がもんもんと立ちこめたかと思うと火を吹き始めたこともあり本気で焦った。
でも・・・・
でも何度も言うが慣れってすごい。
少し経つとミニバスも平気になり料金交渉も楽しくなるし道の真ん中でバスが止まっても笑って他のザンビアンとバスを押したりした。
車内に大音量で流れるザンビアンヒップホップやゴスペルも耳に心地よくなった。
コンダクターと喧嘩したこともあったが乗車中隣のザンビア人と会話に花を咲かせ、楽しく過ごしたことはいい思い出だ。バスの中で覚えた(教えてもらった)現地語もかなり多い。
ミニバスは一つのザンビアンカルチャーと言えよう。
写真はタウンのバスターミナル
画像 (小 中 大)
2009.10.03:sei36
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