山菜屋ブログ

▼「黒川能」を鑑賞してきました。-その2-

旧櫛引町(現:鶴岡市)に
500年以上も前から伝わる「黒川能」
「黒川能」については前記にて、
書かせていただきましたが、
今回は、私が体験したことについて
レポートを交えながら
1日2日と2日間に渡る祭りの一連の流れを
王祇祭-黒川能解説- よりご紹介いたします。

2月1日
午前6時頃
「春日神社」にて【王祇おろし】という祭事が執り行われて
午前10時頃
上座当屋、下座当屋に王祇様を祭る

【氏子の総会】
(座狩り・当乞い)

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「〜ござりまするかぁ〜。」と、
昔言葉で出欠のようなものを取っていました。
「きっと当時使われていた言葉、そのまんまなんだろうなぁ〜。」
と、感激しました。

【座の宴会】
(振る舞い)

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※この順序は、上座と下座では逆になる

この後、私たち親戚にも
振る舞いがありました。

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おわんにちょっぴり白いのは、
ご飯なんですが「おごふ」だそうです。
これを食べた後に、白いご飯をいただきます。

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上のほうに三角に置かれたものは、
「赤こごみと青豆・くるみの切り和え」というもの。
これらを細かく切って和えたものです。
話には聞いていましたが、これほど細かく切るとは驚きました。
味付けは酒と醤油だそうです。
この「切り和え」の、盛り付けは、
春日神社の紋章を模しています。
真ん中の白いものは、大根の酢の物。
その左右にあるのはみょうがと菜っ葉の塩漬けでした。
これが、しょっぱい、しょっぱい!
きっと昔ながらの味付けなんでしょう。

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手前にある、干した葉っぱのようなものは
「蓼:たで」を干したものです。
このときに使う特別な蓼なんだそうですが、
近年作る人が減ってきて、準備するのが大変だということも聞きました。

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こちらは「切り和え」と、
うりの粕漬け、インゲンの塩漬け。納豆、すももの塩漬け。
インゲンはゆでてあると思い、食べたら塩漬けでしょっぱくてびっくり!


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手前のシワシワなのが「すももの塩漬け」です。
これも、以前は庭木でどこにもあったものだそうですが、
今はなかなか準備できなくなっているそうです。
上座では、1件のお宅に大きなすももの木があって、
毎年そこの家の方が、奉納してくださるそうです。

そして、忘れていけないのは「焼き豆腐」
山椒のタレでいただきます。
上に乗っているのはごぼう。
柔らかくてとてもおいしかったです。

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この焼き豆腐や料理一式も、
上座と下座では異なるそうです。
私がお呼ばれしたのは上座です。

上座の人に
「下座は料理がちがうんだってね」と、聞いたところ、
「下座のほうに親戚がないのでわからない。」と言われました。
なるほど・・・・そんなものなんですね。

私たち親戚が振る舞いをいただき終わる頃、
今度は、近所の人たちがたくさんやってきてご馳走になります。

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近所の人への振る舞いが終わると
いよいよ、能が始まります。

一方、近くの公民館では、脇当屋といって
親戚筋以外の招待者が振る舞いをいただくことができます。
ここには、朝9時頃から夕方5時頃まで、
入れ替わり立ち代りいろんな人が次々にやってきて
お酒を飲みながら振る舞いをいただいてました。

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午後6時頃
【大地踏】

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これが、この「黒川能」で一番人気のところです。

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こんなに大勢の人の前で、
幼稚園年長ぐらいの男の子が
舞台を踏みながら、大役を果たします。

終わった後には花がかかったりしていました。

その後、
【式三番】【脇能】と続き
脇能が終わる頃、下座から上座へ
【暁の使い】という使者がやってきます。

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これは、祭りの順調な進行を喜んで、
明日も過怠のないように。
と、口上を述べるものです。

ここで、一休み。
舞台の上でみんなで夜食を取ります。

私たち親戚のところにも、
おっきいおにぎりと、漬物が振る舞われました。

午後11時頃
【能四番】【狂言四番】が続きます。

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狂言は、何を話しているのか聞き取れるので面白かったです。
能とは違ったちょっと笑えるおかしなものでした。

写真は「禰宜山伏」という狂言です。

午前3時ごろ、再び親戚に振る舞いが回ります。
今回はうどんでした。

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温かいタレが注がれるのですが、
これが、寒い体にとってもうれしかった。
タレには山椒が利いていて、ピリッとした香りが目を覚ましてくれます。

そして、
2日午前6時頃

すべての舞いが終了すると、朝ご飯を食べます。

このときの朝食は「よづけ」というものでした。
「よづけ」とは、納豆に塩を入れて混ぜたものを
ご飯の上にのせてそ、そこにお湯をかける食べ物でした。
初めて食べましたが、想像するよりもおいしかったです。

そして春日神社に向かって行列を組み移動し、
神社での祭事が始まります。

昨年は
2日に行われる「春日神社」での祭事を観ました。
今年は当座で行われる祭事を観ることができました。

それでも、まだまだ観ていない部分がたくさんあります。
朝の王祇おろし、王祇様の宮のぼりや七度半の使いなど、
これからも機会がありましたら、観にいってみたいと思います。
画像 ( )
2012.02.06:sansaiya

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