大東住宅株式会社/佐藤晋悦
壁・天井のお手入れ
繊維・砂壁のお手入れ
繊維壁は繊維やパルプを使って綿のようにソフトに仕上げた塗り材で、砂 壁は色砂を糊で練ったものを表面仕上げに使用したものです。 どちらも和室の内壁などに用いられる伝統的な材料で、ひび割れや汚れな どが目立たないのが特徴ですが、表面がデリケートなのでお手入れには十 分な注意が必要です。 ●日常のお手入れ 普段は柔らかい布でから拭きするか、科学雑巾で汚れを落としましょう。 普段の掃除は軽くハタキ掛けをする程度にしましょう。 汚れを落とす確実な方法がないので、普段から汚さないように心掛けるこ と、乾燥状態を保ち、カビ防止に心掛けることが大切です。 砂壁押さえ用スプレーなどが市販されていますので、これを利用するのも 一案です。 |
板張り・化粧合板張りのお手入れ
化粧合板は普通合板の表面に加工を施して木目調などの化粧をしたもので、 プリント合板と呼ばれています。 ●日常のお手入れ 普段は柔らかい布でから拭きするか、科学雑巾で汚れを落としましょう。 汚れが目立つ時には、住宅用洗剤を薄めたぬるま湯で拭き取り、水の固絞 り雑巾で拭きます。 その際、化粧合板などは力を入れすぎると表面のプリントを損傷する事が ありますので注意しましょう。 また、和室には化粧合板などによる目透し貼りの天井が多く用いられてい ます。 天井用の化粧合板などは耐水性のものではないことが多いため、水拭きを 避け、普段から汚さないように心掛けましょう。 化粧石膏ボードには、石膏ボードの表面にあらかじめ化粧加工した紙を用 いたものや、化粧加工した紙やプラスチックのシートなどを張り合わせた もの、塗装、型押し凹凸などで加工したものがあります。 耐水性の低いものは水拭きできませんので、あらかじめ設計者などに材料 の性質を確認しておきましょう。 ○シャンデリア 新たに天井にシャンデリアのような重い灯具を吊り下げる際には、落下に よる事故を防ぐため各灯具の取り扱い説明書の指示に従ってください。 ●注意すること 化粧合板などに極力直射日光を当てないようにしましょう。 表面材の変色や剥れの原因となります。 また、化粧合板などにはシールやテープを貼ることは極力さけましょう。 これらを剥す際に表面材も一緒に剥れたり、浮いたりして、剥した後が汚く 残ってしまいます。 |
ビニルクロス貼りのお手入れ
●日常のお手入れ 普段は表面の汚れをはたき、掃除機などでむらなく掃除します。 ビニルクロスは水拭きができ、汚れが比較的簡単に落とすことができますが、貼り 合せ部分に水が入ると剥れの原因になりますので、水拭きは固絞りの雑巾で注意し て行います。 ○ビニルクロスの汚れ落とし 手垢などの落ちにくい汚れは、住宅用洗剤(中性タイプ)を薄めたぬるま湯を含ませた布(もしくは落ちにくい場合には、その布でたわしをくるんだものや使い古して先の丸くなった歯ブラシ)で軽くこすって汚れをふき取った後、水で固絞りしたきれいな布で拭き取りましょう。 この時に壁の付近の床や柱、家具に洗剤がつかないように注意し、必要であれば床や柱、家具を包装紙などで覆い、養生テープ(30mm幅のマスキングテープ)で固定して洗剤から保護します。 ○ビニルクロスのカビ落とし 表面のカビを取る場合は、中性洗剤等を薄め、固く絞った雑巾で拭き、ドライヤーで乾燥させるとよいでしょう。 市販のカビ取り剤を壁に直接スプレーする場合には、必ず壁に下から上にスプレーして、洗剤がたれないうちに、手早く下から上に拭いていきます。 上から下にスプレーすると洗剤がたれて、シミの原因になります。 それでも落ちない場合は、塩素系の漂白剤を表示に従って薄め、ハケ(使い古しの歯ブラシや、ティッシュなどでも代用できます)でカビの部分に塗ります。 20分程そのままにしておき、ぬるま湯で絞った雑巾で拭き取ります。 カビ取り剤や漂白剤を使用する際は、窓を開け、ゴム手袋やマスクを使用しましょう。 |
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炊事による水蒸気、油や煙などにより、最も汚れやすい部位です。
壁は一般的にタイル・キッチンパネル貼りが多いので、天井に比べて掃除
は比較的簡単ですが、天井はハタキなどを掛けると、かえって油汚れを広
げてしまうおそれがありますので注意しましょう。
炊事の際は換気をよくし、水蒸気や煙を放出するように心掛けしましょう。
●日常のお手入れ
タイル・キッチンパネル貼りやビニルクロス壁の場合、一週間ごとに
キッチン用中性洗剤を薄めたもので汚れを落とし、その後水拭きをしま
しょう。
タイル目地の油汚れは、割り箸でこびりついた油を落とし、住宅用洗剤
や強力洗剤を下から上に吹き掛け、5分ほどおいてからたわしでこすり
ましょう。
仕上げはきれいな雑巾で洗剤分を拭き取りましょう。
また、食器戸棚や収納庫は月に一回、中を整理して掃除しましょう。