大東住宅株式会社/佐藤晋悦
屋根・外壁の点検と補修
金属板・サイディング壁(金属系)
●起こり得る不具合 さび、変形、ゆるみ、汚れ ●点検のチェックポイント ・表面のさび、白っぽくなった汚れ、ひび割れの有無を目視で確認 ・板やサイディングの変形を目視で確認 ・金属板やサイディングの接合部のゆるみを目視等で確認 ●取替えや再塗装 建築地域の状況により異なりますが、目安としては3年〜5年で塗り替えを 依頼しましょう。 表面が白っぽくなったり、ひび割れが生じないうちに塗り替えることが長持 ちさせるコツです。 また、変形した場合には、変形した部分のみを抜き取り、成形、交換を依頼 しましょう。 接合部のゆるみが起こった場合も放っておくと雨漏りの原因となりますので 依頼しましょう。 |
タイル貼り壁の点検・補修
●起こり得る不具合 剥がれ、汚れ、割れ。 ●点検のチェックポイント ・タイルの割れを目視で確認 ・目地のモルタル部分のひび割れを目視で確認(乾式工法の場合) ●自分でできる補修方法 目地のモルタル部分が割れている場合には、市販のシーリング材で補修するこ ともできますが、後に防水に支障をきたすと大変なので専門の業者に依頼する ようにしましょう。 下地パネルが雨水の浸入により腐食することもありますので、早めの補修を心 掛けましょう。 ●タイルや目地の割れ 大きな割れは放置すると下地モルタルの剥がれや割れを招くなど、建物の耐久 性を大きく害します。 定期的に(2〜3年ごと)に点検し、早めに補修しましょう。 市販の充填剤やコーキング材を注入する方法もありますが、専門の業者に依頼 するのが適切です。 |
サイディング壁(窒業系)の点検と補修
●起こり得る不具合 色あせ、色落ち、シーリングの劣化、割れ。 ●点検のチェックポイント ・色あせ色落ちを目視で確認。 ・割れ目を目視で確認。 ・表面を指でこすって塗料の粉末が付着するかどうかを確認(サイディング に劣化が始まってきたサイン。割れ、膨れ、はがれ、反りが生じていなけ れば補修不要) ・サイディングの継目のシーリング上層の吹付け仕上げ材のヒビ割れを目視で 確認(外壁自体の防水性能には影響ありません) ・継目のシーリング材のはがれや破断を目視で確認(シーリングは太陽光線や 外気、雨水、温度変化により劣化しますので、2年〜3年ごとに点検しまし ょう) ●自分でできる補修方法 継目のシーリング材がはがれたり破断したりしている場合、軽微であれば市販 のシーリング材で補修できます。 (2箇所以上ある場合などは、後で防水に支障をきたすと大変なので専門の業 者に依頼しましょう) ●サイディングの補修 継目のシーリング材がはがれたり破断したりしている場合には、メーカーの保 障期間等も関係してきますので、施工店に相談するのが一番良い方法です。 色あせ・色落ちの再塗装の際には基材に十分なじむものを選ぶことが大切です。 補習の際は専門の業者に依頼しましょう。 割れが発生している場合も専門家に依頼し、破損した部分のみを抜き取り、交 換しましょう。 |
雨漏りの点検と補修
●雨漏りの点検と補修 雨漏りの現象は、屋内の天井部分から水滴として現れるものと、小屋裏 や 壁内からじわじわとしみ出てくるものと、これら目に見える現象は なくポタポタ音だけするものなど一様ではありません。 また、断熱材を入れることが一般化した現在では、断熱材に雨水が吸い 込まれ、少々雨漏りしても水滴もシミも見えないということがあります。 長年の雨漏りに気づかないあまり、いつのまにか木部が腐朽していたと いうことにならないよう、屋根裏から床下まで、定期的に広範囲な点検 を行うことが必要です。 ●雨漏りの補修 雨漏りが始まったらすぐに補修したいものですが、雨中の工事は困難で あり、確実さを期待できません。 家財を雨水から守り、雨が上がったらすぐに専門の業者に依頼して、補 修してもらいましょう。 風を伴う場合にはその方向を記録しておきましょう。 雨漏り箇所を探すのに役立ちます。 ○雨漏りの原因となる部分 ・屋根:瓦のずれ、割れ、鉄板の緩みなど屋根葺き材の損傷。 :1階屋根と2階外壁が取合う部分の雨仕舞の不具合。 ・外壁:モルタル塗装の割れなど外壁面の損傷。 :サイディング継目のシーリング不良など。 :水切り・雨押さえの不具合。 :開口部まわりのシーリング不良。 ・雨どい:つまりによる軒どいの溢水。 :雨どいつかみ金具の取付部のシーリング不良。 |
軒裏・破風板・鼻かくしの点検
●起こり得る不具合 雨漏れ、たわみ、はがれ、腐朽 ●点検のチェックポイント ・鼻かくしや破風のめくれがある。 ・軒裏に雨のシミ(雨の上がった翌日で屋根面の水分が乾いた頃、軒裏に不自 然に湿っている部分や雨水の通り道)ができている。 上記損傷は、年数が経過した以外はおおむね雨水が原因です。 屋根の雨漏りが下に流れて現れるものと、軒先の局部的な雨漏りが考えられま す。 気がついた時には軒裏にシミができているという場合が意外に多いので、軒ど いの掃除と合せて確認するようにしましょう。 ●自分でできる補修方法 破風板、鼻かくしの部分的なはがれは、釘打ちして押さえ、コーキング材を充 填します。 ●軒裏の補修 軒裏は自分での補修は難しい箇所なので、気になる箇所がある場合は、木部が 腐朽しないうちに早めに専門の業者に依頼しましょう。 破風板、鼻かくしの2階部分など高所の作業は危険を伴いますので、専門の業 者に依頼しましょう。 |
雨どいの点検・補修
●起こり得る不具合 つまり、はずれ、ひび ●点検のチェックポイント 雨の日に雨水の流れる様子とあわせて点検しましょう。 ・集水器や軒どいに、落ち葉やボールがつまっているかを目視で確認。 ・雨どい金具が外れているかどうかを目視で確認。 ・軒どいがゆがんだり、曲がったりしているかどうかを目視で確認。 ・継目が外れたり、割れたりしているかどうかを目視で確認。 ・外れたり割れたりしているかどうかを目視で確認。 ●自分でできる補修方法 ○詰まり 雨どいは一箇所がつまるとあふれた雨水が滝のように流れ、外壁をぬら したり、泥をはねかえしたりして、建物を汚損します。 雨どいに溜まったゴミ、落ち葉、ほこりなどは、日常気がついた時に取 り除くようにして詰まらないようにすると共に、年2〜3回定期的に掃 除しましょう。 また、台風の前後にも掃除しましょう。 掃除の際にはじょうご(集水器)のゴミ、泥を取り除き、軒どいの泥は 以下の要領で洗い流しましょう。 �一方の端からもう一方の端まで、竹ベラ等でこびりついた泥を落しま す。 �小さなチリぼうきで、泥をはき集めて捨てます。 �掃除が終わったら、水を流します。 注意すること 強い風雨や積雪のために集水器とといが変形、あるいは外れたり、年数 がたつとともに、とい受け金物がゆるんだり、さびを伴うことがありま すので注意しましょう ※転落に注意 危険が伴う雨どいとその周辺の作業は、ヘルメットを着用し、転落事故な どに注意してください。 ハシゴを使う時には、先端には厚い布などを巻きつけ、壁や破風、屋根を 傷つけないようにしてください。 また、安全にハシゴに昇るために、必ず下で誰かにハシゴを押さえてもら いましょう。 ○はずれ・割れ 雨どいの軽微なはずれは、市販の雨どい補修テープや雨どい専用接着剤 で補修します。 軒どいがはずれたら、雨どい用接着剤でつなぎます。 軒どいをとい受け金具の上に乗せてから「パッチン継ぎ手」で接続部分 に雨どい用接着剤を均一に塗り、しっかりと接着します。 この時接着面の汚れは、しっかりと拭き取っておきます。 縦どいのヒビ割れには雨どい用の補修テープもしくは防水テープを使い ます。 接着面の汚れを取ってからテープを巻いていきます。 ○金具の異常 年数が経つとともに、とい受け金具が緩んだり外れたりすることがあり ます。 板張り壁など木部では、木工用パテを穴に詰め金具を固定します。 新しい金具と交換する時は、古い金具を取り、木工用パテなどで穴を埋 め、別の位置にキリで穴をあけて新しい金具を取り付けます。 軽微なもの以外の補修 はずれ・ヒビなどで軽微なもの以上の補修(雨どいの勾配の補修など)は 専門の業者に依頼しましょう。 その他、作業の中でご自分では危険が伴うものについては、専門の業者に 依頼してください。 |
屋根瓦葺きの点検
●起こり得る不具合 ずれ、割れ ●点検のチェックポイント ○地震や台風・強風の後 ・瓦の配列のずれや割れがないかを目視で確認 ○定期的=年に一度程度 ・瓦の配列のずれや割れがないかを目視で確認 瓦のずれや割れの点検 目視ではわからないこともありますので、定期的に瓦の配列のずれや割れを点 検するよう専門の業者に依頼してください。 雨漏りがなくとも瓦の配列のずれや割れを発見したら、すみやかに補修する事 が必要です。 補修には、瓦の固定、取替え、しっくい塗りなどの方法があります。 専門の業者に依頼しましょう。 |
屋根金属板葺きの点検
●起こり得る不具合 色あせ、色落ち、浮き、さび ●点検のチェックポイント ○地震や台風・強風の後 ・浮き上がったり、ガタついたりしているところがないかを目視で確認 ○定期的=年に一度程度 ・浮き上がったり、ガタついたりしているところがないかを目視で確認 ・表面の塗料が白っぽくなっていないかを目視で確認 |
屋根用化粧スレート葺きの点検、補修
●起こり得る不具合 色あせ、色落ち、さび、ずれ、割れ ●点検のチェックポイント ○地震や台風・強風の後 ・浮き上がったり、ガタついたりしているところがないかを目視で確認 ○定期的=年に一度程度 ・浮き上がったり、ガタついたりしているところがないかを目視で確認 ◎割れ・はがれ・浮きの補修、再塗装 割れ、はがれ、浮きの補修には、差替え、隙間に充填材を詰めるなどの方法が あります。 屋根用化粧スレートは相当の耐候性があり、一般のスレート瓦に比べ褪色のお それが少ないものではありますが、やがて色あせ、色落ちが目立つようになり ます。 再塗装の際には、専門の業者に依頼し、専用の塗料を使用することとします。 棟板や軒先、棟包、けらばなどにカラー鉄板を使用してある場合は、この部分 について点検および塗装のやり直しが必要となります。 ◎屋根の再塗装 亜鉛鉄板の耐久性を維持するために、色あせ、色落ちやさびが生じる前に塗り 替えることが必要です。 表面が白っぽくなっていたら再塗装が必要です。 再塗装の際には、専門の業者に依頼し、専用の塗料を使用して塗り替えてもら います。 |
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●起こり得る不具合
色あせ、色落ち、隙間、反り、腐朽、割れ
●点検のチェックポイント
・木部塗装のオイルステンの色あせ・色落ちを目視で確認
(オイルステンは木材にしみ込む性質があり、皮膜が弱いため、日光や雨
の当る場所では色あせ・色落ちが早く起こります。ペンキ仕上げは2〜
3年ごとに点検しましょう)
・腐朽している箇所を目視で確認
(板張り壁は雨水や湿気を受けることにより腐りやすくなりますので、常
に乾燥状態を保てるよう留意しましょう)
・反りや隙間を目視で確認
(乾燥収縮により板が反り、隙間や釘の浮きが生じることがあります。浮
いた釘は点検の際に打ち込めば問題ありませんが、反りによって生じた
隙間が大きいと、雨水の浸入につながり下地材を腐らせます。夏季は特
に注意を要し、こまめな点検と早めの補修を心掛けましょう)
・割れを目視で確認
●自分でできる補修方法
・塗り替え
(手の届く身近な場所は、3〜5年ごとに表面にひび割れが出る前に塗り
替えましょう)
�表面の汚れをよく落す。
�市販の塗料に添付されている取扱説明書の塗り方に従い作業する。
・軽微な割れ
(軽微な割れはパテなどをつめて応急処置をします)
●大きな損傷
・大きな損傷は壁材の取替えが必要となりますので、専門の業者に依頼しま
しょう。