斎藤金型携帯サイト
▼工作機械 「旋盤2」
何故「2」なのか、ですね。
先日国立科学博物館へ行ったときに、国産第一号の旋盤を見ることが出来ました。
タイムスリップした感じ。昔のモノづくりに思いをはせて「旋盤2」としました。
今とは外観が違ってシンプルですね。
池貝鉄工の祖である池貝さんが作ったらしい。しかも明治時代。
根本的に今の旋盤と違うのは、主軸を駆動する方式くらいかな。
今の旋盤はモーターを自分でもっていて、それをギア等を介して主軸を回転させます。当然変速も可能です。
この旋盤はモーターを外部にもっていました。どうやって?
ですよね。
工場の1箇所に大きなモーターが1個おいてあると想像してください。
天井には棒状のシャフトがあると思ってください。そのシャフトは軸受けがついてて自由に回転します。
もうお判りですね。モーターからベルトで天井のシャフトを回転させます。
シャフトの線上に離れている旋盤にもプーリーがついていて、そのプーリーと天井のシャフトが、またベルトで繋がっているというわけ。
旋盤が何台もあると、そのシャフトの下に旋盤が並んでそれぞれベルトでシャフトと旋盤が繋がって居ると言う訳です。
ちょっと想像しずらいかな。
変速も当然必要ですが、モーターは一定の回転数。シャフトも同じです。
どうするか?
じつはシャフト側にも3つくらいの大きさが異なるプーリーがついていて、旋盤側も同様についています。(写真でもみえるかな)
ベルトを移動して変速をするというわけ。
昔の人は本当に工夫をしたんだなと思います。
モーターは高価だからと考えてしまったら、旋盤自体がとても高価になってしまい、普及しません。それを工夫というか発想の転換で克服したという訳ですね。
旋盤に限らず1つの工場には1つのモーターしかなく、全ての動力を天井のシャフトから取っていたらしく、どっかで負荷が大きくなると回転が急に変化したりしたらしい。
プレスなんかリズムでトン、トン、トンだと思うのですが、急にトン、ト、ト、トン(ありえないか)になると危なくってしょうがないですね。
旋盤でも気分良く削っているのに急に回転数が変わっちゃったりすると挽き目が変わって寸法も変わっちゃいます。
エライ時代だったのですね。
モノづくりの先人達は色んな工夫をして「モノづくりニッポン」の基礎を作ってくださった。
僕らは更にそれらを工夫して、発展させ、そして後世に伝えてゆかなければなりません。
航空機の機長さんのように訓練をキチンと積んで、(積んでもらって)よりよい工夫が出来るエンジニアを沢山育てなくてはと思います。
加工が出来るだけではエンジニアとは思いません。
エンジニアとは技術で世の中を幸せにする事が出来る人だと思います。
自分の良心に従って物事を客観的に判断し、解決する。
難しい技術をだれでも気軽に使えるようにする。
理想的ですね。
僕もそこいらへんを目指しています。
亦長くなっちゃった。
今日も張り切ってゆこう!
画像 (小 中 大)
2007.03.15:s-mold
[2007.03.15]
旋盤の説明文 (s-mold)
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