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▼段取りとは危険予知のこと

何かの仕事をする際に、準備をする事を段取りと言いますがそれだけではなくて、一歩進んで危険予知も段取りに含みます。要は色んな手立てを考えておくことです。すなわちやってみないと判らない事が沢山あるのに、(大丈夫な「筈})確認もしていないのに(なっている「筈」)が多いのです。
例えば穴の大きさ20ミリの穴を開けたとしましょう。道具は当然20ミリのドリルです。開けた本人は(20ミリの穴があいている「筈」)で終わっています。だれも確認していません。それでその部品を組み立てた時に、初めてその穴に相手部品が入らずに20ミリの穴ではないと気がつきます。
するとその穴を開けた人間が「何故確認しなかったか」ではなくて「何故20ミリの道具で穴を開けて20ミリに成らなかったか?」を直ぐに考えて道具を探して初めて測定をする訳です。そして初めてその道具が適正でなかったと判る訳です。加工後にちょっとノギス(測定器の事です)をあてれば判ることなのに、変なプライドがあるのか、そう知る人は殆どいないと思います。
目的は20ミリの道具を使うのではなくて、20ミリの穴を開けることですね。
目的と手段をごちゃごちゃにしている例です。
では、ここでどういう風に危険予知をするかというと「この穴が20ミリでなかったらどうなるだろう?」「この穴がまっすぐに開かなかったらどうなるだろう」という風にする訳です。当然機能を発揮する為に20ミリの穴が必要な訳なので、曲がっていたり穴の大きさが違っていたら機能を発揮する事はできません。
機能・性能を発揮するには設計(仕様書)通りの加工が必要です。
つまり理解が足りず、ただ漠然と作業をすると上記の様な事になりえる可能性を多分に含んでいる訳なのです。これはただ作業をした、と言う表現になります。
従って目的を遂行するにあたり、どんな問題が生ずるのか、どんな事に成るのかを常に頭のなかでシュミレーションしながら仕事をする事が大事なのです。
結果的に何も無ければ一番良いのですが、モノづくりをしているとどんなトラブルが待っているか判りません。(実際考えられない事がおきたりしますね)
でも物理的な現象で有る限り、原因の無いトラブルはありえないのです。そのトラブルも、危険予知をどのくらい沢山しておくかで最小限度に押さえることも可能ですし、またその対策も早くする事ができるのです。
もうお分かりですね。物理的な準備だけでなく、その後(加工後、または市場にでてから)まで考えておくのが段取りの大事な事なのです。
ちなみに危険予知という言葉は小学校でも使っています。何処かで遊ぶ場合(キャンプとか)、どんな危険なことがありますか?ではどうすればいいですか?と言った話しをするそうです。立派な段取りですよね。
我々モノづくりに携わっている人間も、もっと小学生に学ぶべき点が多いように感じます。
変なプライドや成功体験が邪魔をしている事って結構有る様な気がしますがどうでしょうか?
「段取り」は、やはり大事と再認識ですね。
2006.10.08:s-mold

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